(1)
実数rに対してA(1r)=(a+3br3b+(a+2b)r)である.これがλ(1,r)Tに等しいとすると,第一成分から λ=a+3br である.第二成分について 3b+(a+2b)r=(a+3br)r が必要である.両辺のarを消し,b=0で割ると 3+2r=3r2 である.すなわち 3r2−2r−3=0 であり,解は r=−31,r=3 である.条件v<wより v=−31,w=3 である.
対応する倍率は p=a+3bv=a−b,q=a+3bw=a+3b である.b=0よりp=qも満たされる.したがって p=a−b,q=a+3b である.
(2)
(1) で求めたv,wを用いるとP=1−3113である.Pの第1列はAによってp=a−b倍され,第2列はq=a+3b倍される.したがってAP=P(a−b00a+3b)である.両辺に左からP−1を掛ければB=P−1AP=(a−b00a+3b)である.
(3)
まず初期値をs1,t1で表す.Pの逆行列はP−1=43331−11=4341−4343である.したがって(s1t1)=P−1(αβ)=43α−3β4α+3βである.
また,(2)より(sn+1tn+1)=P−1A(αnβn)=P−1AP(sntn)=B(sntn)である.よって sn+1=(a−b)sn,tn+1=(a+3b)tn となり,sn=(a−b)n−1s1,tn=(a+3b)n−1t1 である.
∑sn は初項 s1=0 なら恒等的に0であり,s1=0 なら公比について ∣a−b∣<1 のとき,かつそのときに限って収束する.同様に,∑tn は t1=0 または ∣a+3b∣<1 のとき,かつそのときに限って収束する.
ここでs1=0⟺β=3α,t1=0⟺β=−3α.α=0, β=0 のもとでこの2条件が同時に成り立つことはない.したがって,求める必要十分条件は次の通りである.⎩⎨⎧∣a+3b∣<1,∣a−b∣<1,∣a−b∣<1 かつ ∣a+3b∣<1,β=3α のとき,β=−3α のとき,上のいずれでもないとき.すなわち,一般形では(s1=0 または ∣a−b∣<1)かつ(t1=0 または ∣a+3b∣<1)である.初期ベクトルが一方の固有方向に一致するときだけ,使われない方の固有値には制約が付かない点に注意する.