方針
XとYが同一直線上にないことを示し,平面の基底として使う.(2)でと置けるので,Aを作用させるとになる.これをと比較し,係数比較からを得る.するとが従い,さらにからを得る.最後はなのでYの2候補を出し,Aの第1列・第2列を決める.
解答
(1)
もしであると仮定する.このときである.すると となるので,条件よりである.さらにである一方,だから となる.よってが従うが,これはおよびに反する.したがって である.
(2)
問題文よりであり,(1)よりである.XとYはいずれも大きさ1の2次元ベクトルである.もしXとYが同じ直線上にあれば,単位ベクトルであることからまたはしかない.しかしどちらも成り立たない.したがってXとYは平行でない.
2次元平面で平行でない2本のベクトルは基底になるので,任意の2次元ベクトルはXとYの一次結合としてただ一通りに表される.特にZについて,実数がただ一組存在して と表せる.
(3)
(2) により とおく.両辺にAを作用させると である.さらにを代入すると である.一方,条件よりである.XとYは平行でないので係数比較ができ, を得る.第2式よりであり,第1式に代入すると である.したがってである.よって であり,が成り立つ.
(4)
(3) よりである.Zの大きさは1なので である.左辺を内積で展開すると である.したがって である.
ここでなので,とおくと である.またより だから である.よってである.
行列Aの第1列はによりYである.さらにAはをに移す.これは,XからYへ,YからZへ,ZからXへ移す120度回転である.具体的に計算すると,のときである.またのときである.したがって求める行列はである.
3本の単位ベクトルの配置
別解
別解((4)の120度回転)
方針
(3) で得た と を幾何的に読む.3本のベクトルは互いに120度ずつ離れるので,Aは時計回りまたは反時計回りの120度回転行列である.
解答
(1)
解法1と同様に, と仮定すると となり,さらに と が矛盾する.よって である.
(2)
で だから,XとYは平行でなく,平面の基底になる.したがってZは とただ一通りに表せる.
(3)
両辺へAを作用させ, を使って係数比較すると である.よって(4)
(3) よりである.したがってであり,よってXとYのなす角は である.同じ議論をYとZ,ZとXにも適用できるため,3本は原点の周りに ずつ並ぶ.
だから,YはXを反時計回りまたは時計回りに 回転したベクトルである.また より,A自身が同じ向きの 回転を表す.したがってゆえに
総評
難度6,計算量5,目安時間25分.(1)(2)でXとYが平面の基底になることを保証し,(3)では係数比較から を導く.(4)は成分計算と120度回転の2解法を収録した.問題原文の「」は文脈上の誤植であり,参照問題PDFに従って「」としている.単位円の実図により3本の配置と回転方向も確認できる.