方針
y=t2 なので、同じ高さ y に対応する媒介変数は t と −t の2つだけである。そのとき x 座標は符号が反対になり、水平断面の幅は 2∣sint∣ になる。複数の領域があっても、高さごとの横幅を積分すれば総面積を一度に求められる。最後は 0,π,2π で絶対値を外して計算する。
解答
y=t2 であるから、同じ高さにある点は t=s と t=−s に対応する。ただし 0≦s≦2π である。この2点の x 座標は x=sins,x=sin(−s)=−sins である。したがって高さ y=s2 における横幅は ∣sins−(−sins)∣=2∣sins∣ である。
また y=s2,dy=2sds である。領域が複数に分かれていても、各高さで曲線に挟まれる横幅を足し合わせれば総面積になるので、求める面積 S はS=∫0(2π)22∣siny∣dy=∫02π2∣sins∣⋅2sds=4∫02πs∣sins∣dsである。
0≦s≦π では sins≧0、π≦s≦2π では sins≦0 だから S=4(∫0πssinsds−∫π2πssinsds) である。部分積分により ∫ssinsds=−scoss+sins だから ∫0πssinsds=π である。また−∫π2πssinsds=[scoss−sins]π2π=2π−(−π)=3πである。よって S=4(π+3π)=16π である。
別解
解法2
方針
曲線の自己交点で内側と外側の2領域に分け,通常の面積公式 ∫(上側−下側)dx を各境界上で媒介変数積分へ直す。横幅を積分する解法とは異なり,dx=costdt を使って各閉曲線の面積を求める。
解答
同じ点を与える t と −t を比べると,y=t2 は等しく,x が等しくなるのはsint=−sint,すなわち sint=0 のときである。したがって曲線はt=−2π,−π,0,π,2πで y 軸上に戻り,内側と外側の2つの閉領域を作る。
閉曲線について,通常の面積∫(上側の y−下側の y)dxを境界の向きに沿ってまとめると,面積は−∫ydxと書ける。ここではy=t2,dx=costdt.内側の領域の境界は −π≦t≦π で1周される。よってその面積 S1 はS1=−∫−ππt2costdt.被積分関数は偶関数であり,∫t2costdt=t2sint+2tcost−2sintだから∫−ππt2costdt=2∫0πt2costdt=−4π.したがってS1=4π.外側の領域の境界は−2π≦t≦−π,π≦t≦2πの2区間を合わせたものである。偶関数性より面積 S2 はS2=−2∫π2πt2costdt=∣−2{4π−(−2π)}∣=12π.したがって総面積はS1+S2=4π+12π=16πである。
総評
難度7、計算量5。媒介変数曲線の面積問題だが、y=t2 のため水平切断で考えると整理しやすい。目安時間は15分程度。曲線は t と −t で左右対称になり、各高さでの幅が 2∣sint∣ になることが核心である。複数領域の総和を求める問題なので、絶対値を外さずに積分すると符号で面積が相殺される。dy=2tdt の重みがあるため、単に ∫∣sint∣dt としない点にも注意する。
冊子PDFで見る九大の積分の問題で問題集を作る
出典: 九州大学 2016年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。