方針
交点を求めて直線と放物線の上下関係を図示し、面積を積分する。面積は a で微分して最小化する。最小時 a=2 の回転体は、回転軸方向の座標と軸からの距離を導入し、軸に垂直な円板の体積を積分する。
解答
(1) 交点は(a+1)x=ax2よりx=0,x=aa+1である。その間では(a+1)x−ax2=x(a+1−ax)>0だから直線が上、放物線が下にある。形状は次の通りである。
(2) 面積はS=∫0(a+1)/a{(a+1)x−ax2}dxである。よってS=6a2(a+1)3となる。微分するとS′(a)=6a3(a+1)2(a−2)だから、S は 0<a<2 で減少し、a>2 で増加する。したがってa=2,Smin=89である。
(3) a=2 のとき領域は0≦x≦23,2x2≦y≦3xであり、回転軸は y=3x である。軸方向の座標をs=10x+3yとする。放物線上の点 (x,2x2) から軸までの距離はR(x)=103x−2x2で、軸方向の座標はs(x)=10x+6x2,dxds=101+12x>0である。したがって軸に垂直な断面は重複なく円板となり、V=π∫03/2R(x)2ds=1010π∫03/2(3x−2x2)2(1+12x)dxである。ここで∫03/2(3x−2x2)2(1+12x)dx=881だからV=801081πとなる。
別解
解法2
方針
(1) は交点と差の符号で領域を決める。(2) はa+1=2a+2a+1に相加平均・相乗平均を適用して微分せずに最小化する。(3) は領域内の微小面積を回転軸まわりの薄い円筒殻として積分する。
解答
(1) 交点は(0,0),(aa+1,a(a+1)2)であり、その間ではf(x)−g(x)=x(a+1−ax)>0である。したがって解法1の図のように、直線を上側、放物線を下側とする領域になる。
(2) 積分からS=6a2(a+1)3である。一方、2a+2a+1=a+1に相加平均・相乗平均を用いると3a+1≧34a2だからa2(a+1)3≧427である。等号は a/2=1、すなわち a=2 のときに成り立つ。よってa=2,Smin=89となる。
(3) a=2 の領域では、点 (x,y) から軸 y=3x までの距離は103x−yである。軸に平行な微小面積 dA を回転すると、半径がこの距離の薄い円筒殻を作る。したがってV=102π∫03/2∫2x23x(3x−y)dydxである。内側から積分すると∫03/2∫2x23x(3x−y)dydx=∫03/2(29x2−6x3+2x4)dx=16081となる。よってV=102π⋅16081=801081πである。
総評
面積最小と斜め軸まわりの回転体を組み合わせた問題である。目安時間は25〜30分。図で直線が上、放物線が下になる区間を確認してから積分する。(2) は微分と相加平均・相乗平均の両方で a=2、S=9/8 を検算できる。(3) は縦切りをそのまま円板にできないため、解法1では軸方向座標、解法2では軸からの距離による円筒殻を使う。全ての積分を独立表示にし、座標変換の倍率を明記した。
冊子PDFで見る九大の積分の問題で問題集を作る
出典: 九州大学 2018年度 後期 第5問 数学(理系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。