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九州大学 2018年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

実数abと虚数単位iを用いて複素数zz=a+biの形で表されるとき,
azの実部といいa=Rezと書き表し,bzの虚部といいb=Imzと書き表す。
またzの絶対値をzで表す。以下の問いに答えよ。

(1)
複素数u=5+53i2+2iを極形式で表せ。

(2)
条件Rew0Imw040w135を満たす
複素数w全体のなす領域D={wRew0,Imw0,40w135}を考える。このとき,z3uDに属するような複素数z全体のなす領域A={zz3uD}を図示せよ。

(3)
複素数zが領域A上を動くとき,
z2との距離が最小になるようなzを求めよ。
解答に極形式を用いてよい。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

複素数平面 複素数の極形式、回転・拡大、範囲評価

方針

u の絶対値と偏角を求める。z=ρ(cosθ+isinθ) と置き、z3uD を半径条件と偏角条件へ分ける。3乗による3つの扇形を図示し、2 に最も近い扇形の端点と半径を確認する。

解答

(1) 分子と分母は5+53i=10(cosπ3+isinπ3)および2+2i=2(cosπ4+isinπ4)だからu=5(cosπ12+isinπ12)である。

(2) z=ρ(cosθ+isinθ)と置くとz3u=5ρ3{cos(3θ+π12)+isin(3θ+π12)}である。半径条件は405ρ3135より2ρ3となる。偏角条件はπ2+2kπ3θ+π12π+2kπなので5π36+2kπ3θ11π36+2kπ3である。0θ<2π では5π36θ11π36,29π36θ35π36,53π36θ59π36の3領域になる。

(3) 2 の偏角は π である。これに最も近い領域は第2の扇形で、最も近い境界角はθ=35π36である。この半直線への 2 の射影の半径は2cosπ36<2であり、領域の半径は2以上なので、最短点は内側の円周上にある。よってz=2(cos35π36+isin35π36)である。

別解

解法2

方針

(1) (2) は極形式で写像 zz3u の逆像を求める。(3) では距離の2乗 ρ2+4+4ρcosθ を角度、半径の順に最小化し、図形的な射影を式で確認する。

解答

(1) 絶対値と偏角の商からu=5,argu=π12である。したがってu=5(cosπ12+isinπ12)となる。

(2) z=ρ(cosθ+isinθ) と書けばz3u=5ρ3{cos(3θ+π12)+isin(3θ+π12)}である。D の半径は 40 以上 135 以下、偏角は π/2 以上 π 以下なので、2ρ3かつ5π36+2kπ3θ11π36+2kπ3となる。したがって A は、解法1の図に示した3つの閉じた扇形領域である。

(3) z=ρ(cosθ+isinθ)に対してz+22=ρ2+4+4ρcosθである。3つの扇形のうち θ=π に最も近いのは29π36θ35π36であり、この範囲では θ=35π/36 のとき距離が最小になる。

この角度を固定するとz+22=ρ2+44ρcosπ36である。平方完成すると、制約がなければρ=2cosπ36<2で最小になる。しかし 2ρ3 だから、制約内では ρ=2 が最小である。よってz=2(cos35π36+isin35π36)となる。

総評

複素数の3乗写像が、半径を3乗し偏角を3倍することを使う領域問題である。目安時間は24〜28分。半径条件は 2z3、偏角条件は120度ずつ離れた3扇形になる。図では内外の円と6本の境界半直線を明示した。(3) は偏角が近いだけで決めず、距離の2乗を半径についても最小化し、射影半径が2未満のため内側円周に制約されることを確認する。

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出典: 九州大学 2018年度 後期 第2問 数学(理系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。