方針
u の絶対値と偏角を求める。z=ρ(cosθ+isinθ) と置き、z3u∈D を半径条件と偏角条件へ分ける。3乗による3つの扇形を図示し、−2 に最も近い扇形の端点と半径を確認する。
解答
(1) 分子と分母は5+53i=10(cos3π+isin3π)および2+2i=2(cos4π+isin4π)だからu=5(cos12π+isin12π)である。
(2) z=ρ(cosθ+isinθ)と置くとz3u=5ρ3{cos(3θ+12π)+isin(3θ+12π)}である。半径条件は40≦5ρ3≦135より2≦ρ≦3となる。偏角条件は2π+2kπ≦3θ+12π≦π+2kπなので365π+32kπ≦θ≦3611π+32kπである。0≦θ<2π では365π3629π3653π≦θ≦3611π,≦θ≦3635π,≦θ≦3659πの3領域になる。
(3) −2 の偏角は π である。これに最も近い領域は第2の扇形で、最も近い境界角はθ=3635πである。この半直線への −2 の射影の半径は2cos36π<2であり、領域の半径は2以上なので、最短点は内側の円周上にある。よってz=2(cos3635π+isin3635π)である。
別解
解法2
方針
(1) (2) は極形式で写像 z↦z3u の逆像を求める。(3) では距離の2乗 ρ2+4+4ρcosθ を角度、半径の順に最小化し、図形的な射影を式で確認する。
解答
(1) 絶対値と偏角の商から∣u∣=5,argu=12πである。したがってu=5(cos12π+isin12π)となる。
(2) z=ρ(cosθ+isinθ) と書けばz3u=5ρ3{cos(3θ+12π)+isin(3θ+12π)}である。D の半径は 40 以上 135 以下、偏角は π/2 以上 π 以下なので、2≦ρ≦3かつ365π+32kπ≦θ≦3611π+32kπとなる。したがって A は、解法1の図に示した3つの閉じた扇形領域である。
(3) z=ρ(cosθ+isinθ)に対して∣z+2∣2=ρ2+4+4ρcosθである。3つの扇形のうち θ=π に最も近いのは3629π≦θ≦3635πであり、この範囲では θ=35π/36 のとき距離が最小になる。
この角度を固定すると∣z+2∣2=ρ2+4−4ρcos36πである。平方完成すると、制約がなければρ=2cos36π<2で最小になる。しかし 2≦ρ≦3 だから、制約内では ρ=2 が最小である。よってz=2(cos3635π+isin3635π)となる。
総評
複素数の3乗写像が、半径を3乗し偏角を3倍することを使う領域問題である。目安時間は24〜28分。半径条件は 2≦∣z∣≦3、偏角条件は120度ずつ離れた3扇形になる。図では内外の円と6本の境界半直線を明示した。(3) は偏角が近いだけで決めず、距離の2乗を半径についても最小化し、射影半径が2未満のため内側円周に制約されることを確認する。
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出典: 九州大学 2018年度 後期 第2問 数学(理系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。