Evolton

九州大学 2018年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第4問

rを正の実数とする。半径がそれぞれr2r3rの3つの球C1C2C3と,
これらすべてに接する平面αがある。
ただし,3つの球はすべて平面αの同じ側で接しているものとする。
すなわち,3つの球のそれぞれの中心を結ぶ線分は,いずれも平面αと交わらないものとする。
3つの球C1C2C3と平面との接点をそれぞれP1P2P3とする。
空間において,基点Oを定め,OP1=p
OP2=p+a
OP3=p+bとすると,
a=3rb=4rであり,
abのなす角は60である。以下の問いに答えよ。

(1)
Qを平面α上にある点とする。
C2の中心と点Qとの距離をd1,球C3の中心と点Qとの距離をd2とする。このとき,
d1+d2を最小にする点Qの位置ベクトルOQを,
abpを用いて表せ。

(2)
3つの球C1C2C3の中心を通る平面βと,平面αとの交線をlとする。
labpと媒介変数tを用いて
媒介変数表示せよ。

(3)
Rを直線l上にある点とする。
C2の中心と点Rとの距離を最小にする点Rの位置ベクトルORを,
abpを用いて表せ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

ベクトル図形と方程式 ベクトル成分計算図形的解釈内積の利用

方針

平面 α の球側を向く単位法線ベクトル n を導入する。(1) は C2 の中心を平面に関して反射し、距離和を直線距離へ変える。(2) は中心平面の法線成分を0にし、(3) は接平面内の射影を直線へ正射影する。

解答

平面 α の球がある側を向く単位法線ベクトルを n とする。3球の中心を K1,K2,K3 とすればOK1=p+rn,OK2=p+a+2rn,OK3=p+b+3rnである。位置関係の概略は次の通りである。

(1) K2α に関して反射した点を K2 とするとOK2=p+a2rnである。平面上の点 Q では K2Q=K2Q なので、三角不等式の等号が成り立つ、すなわち線分 K2K3α の交点で距離和が最小になる。

線分を K2 からの比 λ で表すと、法線成分は2r+5rλである。これが0となる λ=2/5 を用いてOQ=p+35a+25bを得る。

(2) 平面 β 上の点はp+rn+u(a+rn)+v(b+2rn)と表せる。これが α 上にある条件は1+u+2v=0である。v=tu=12t と置けば交線 lOX=pa+t(b2a)(t は実数)となる。

(3) K2 から α までの法線距離 2r は一定なので、α 内では接点 P2 と直線 l の距離を最小にすればよい。直線上の点との差の平面内成分は2a+t(b2a)である。ここでab=6r2,b2a2=28r2なので、距離の2乗を最小にする値はt=2a(b2a)b2a2=67である。したがってOR=p+57a67bを得る。

別解

解法2

方針

接平面内で a 方向を第1軸に取り、a=3re1,b=2re1+23re2と座標化する。(1) は反射後の線分比、(2) は法線成分、(3) は1変数二次式の頂点で求める。

解答

平面 α 内の正規直交基底を e1,e2 とし、a=3re1,b=2re1+23re2と置く。これは長さ 3r,4r、なす角 60 を満たす。

(1) K2 の反射点は平面の下側 2rK3 は上側 3r にある。両点を結ぶ線分は、下側から全体の 2/5 進んだところで平面と交わる。したがって平面内の座標はp+a+25(ba)であり、OQ=p+35a+25bとなる。

(2) K1 を基準に平面 βp+rn+u(a+rn)+v(b+2rn)と表す。法線座標が0となる条件 1+u+2v=0v=t を代入するとOX=pa+t(b2a)を得る。

(3) 上の座標ではb2a=4re1+23re2である。直線 l 上の点から接点 P2 への平面内距離の2乗はD(t)2=r2{(64t)2+(23t)2}=r2(28t2+48t+36)となる。この二次式はt=4856=67で最小である。よってOR=pa67(b2a)=p+57a67bとなる。

総評

3球の中心を、接平面内の成分と法線成分に分ける空間ベクトル問題である。目安時間は28〜34分。概略図で接点・中心・法線の対応を確認してから式へ入る。(1) は反射による三角不等式の等号、(2) は中心平面の法線成分0、(3) は接点から交線への正射影が本質である。解法1は内積、解法2は平面内の直交座標で二次式を作り、どちらも t=6/7 を与える。

冊子PDFで見る九大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 九州大学 2018年度 後期 第4問 数学(理系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。