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九州大学 2020年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

座標平面上の曲線C1C2をそれぞれC1:y=axn(x>0)C2:y=logx(x>0)とする。ただし,nを2以上の整数,aを実数とする。以下の問いに答えよ。

(1) x>0のとき,logx<xが成り立つことを証明せよ。

(2) 曲線C1C2が異なる2点で交わるためのaの条件をnを使って表せ。

(3) aが(2)で求めた条件を満たすとする。
曲線C1C2の異なる2つの交点PQx座標をそれぞれpqとする。
ただしp<qとする。このとき,p<qpa(qnpn)<qが成り立つことを証明せよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安22

指数・対数微分方程式・不等式 微分による最大最小不等式評価、平均値の定理

方針

交点条件を a=logx/xn と変形し、この関数の増減と値域を調べる。(3)では交点条件の差から分母を logqlogp に置き換え、1/x の定積分を上下から評価する。

解答

(1) h(x)=xlogx(x>0) とおく。すると h(x)=11x=x1x である。よって 0<x<1h(x)<0x>1h(x)>0 となり、h(x)x=1 で最小となる。 h(1)=1 であるから、すべての x>0 について xlogx1>0 である。したがって logx<x が成り立つ。

(2)
交点の x 座標は axn=logx を満たす。x>0 であるから、これは a=logxxn と書ける。そこで ϕ(x)=logxxn(x>0) とおく。

微分すると ϕ(x)=1nlogxxn+1 である。したがって ϕ(x)x=e1/n で最大となり、その最大値は ϕ(e1/n)=1/ne=1ne である。また、0<x<1 では logx<0 なので ϕ(x)<0x=1ϕ(x)=0x>1ϕ(x)>0 である。さらに limxϕ(x)=0 である。

よって、水平線 y=ay=ϕ(x) と異なる2点で交わるのは、正の山の高さより低いとき、すなわち 0<a<1ne である。a<0 では 0<x<1 に1点、a=0 では x=1 に1点だけなので、2点にはならない。

(3)
(2)の条件のもとで2交点の x 座標を p<q とする。a>0 で交わるので、p,q はともに1より大きい。交点条件より apn=logp,aqn=logq である。これらを引くと a(qnpn)=logqlogp となる。したがって示すべき不等式は p<qplogqlogp<q である。 p<x<q では 1q<1x<1p である。これを p から q まで積分して qpq<pq1xdx<qpp すなわち qpq<logqlogp<qpp を得る。すべて正の量なので逆数を取る向きに注意すると p<qplogqlogp<q である。ゆえに p<qpa(qnpn)<q が成り立つ。

別解

解法2(積分表示と平均値の定理を使う)

方針

(1) は対数の積分表示で示す。(2)は交点を水平線と ϕ(x)=logx/xn の交点として数える。(3)は対数関数に平均値の定理を適用し、求める中間量そのものが pq の間の点になることを示す。

解答

(1)
0<x<1 なら logx<0<x である。x1 ならlogx=1xdtt1x1dt=x1<xだから、すべての x>0logx<xが成り立つ。

(2)
交点条件はa=ϕ(x),ϕ(x)=logxxnと書ける。微分するとϕ(x)=1nlogxxn+1.したがって ϕx=e1/n まで増加し、その後減少する。最大値はϕ ⁣(e1/n)=1ne.またlimx0+ϕ(x)=,ϕ(1)=0,limxϕ(x)=0である。よって水平線 y=a がグラフと異なる2点で交わるのは0<a<1neのときに限る。

(3)
交点条件からa(qnpn)=logqlogpである。対数関数に区間 [p,q] で平均値の定理を適用すると、ある ξ(p,q) が存在してlogqlogpqp=1ξとなる。したがってqpa(qnpn)=qplogqlogp=ξ.ξ(p,q) だから、ただちにp<qpa(qnpn)<qを得る。

(図は山の形を示す模式図である。)

総評

難度5、目安時間22分。交点数を logx/xn の値域として見ることが中心である。a<0 では1点、a=0 でも1点であるため、単に最大値だけを書いて a<1ne としないよう注意したい。(3)は平均変化率の評価で、a(qnpn) を対数差に置き換えた後、1/x の積分評価に持ち込むと自然に不等式の向きが決まる。採点上は、値域の全体像と正の量で割る処理が重要である。

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出典: 九州大学 2020年度 一般選抜(後期日程)数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。