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九州大学 2021年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第4問

正四面体ABCDの頂点A,B,C,D上の動点Pが,時刻0には頂点Bにいるとする。
0以上の整数nに対して,時刻n+1Pの位置が,時刻nのPの位置から以下のルールに従って決まるとする。

● 時刻nにPが頂点Aにいる場合

時刻n+1にPはそれぞれ確率12,16,16,16
で頂点A,B,C,Dにいる。

● 時刻nにPが頂点Bにいる場合

時刻n+1にPはそれぞれ確率13,13,13
で頂点A,B,Cにいる。

● 時刻nにPが頂点Cにいる場合

時刻n+1にPはそれぞれ確率13,13,13
で頂点A,C,Dにいる。

● 時刻nにPが頂点Dにいる場合

時刻n+1にPはそれぞれ確率13,13,13
で頂点A,B,Dにいる。

0以上の整数nに対して,時刻nPが頂点A,B,C,Dにいる確率を
それぞれan,bn,cn,dnとする。以下の問いに答えよ。

(1) anを求めよ。

(2) nが3の倍数のときのbncncndnを求めよ。

(3) nが3の倍数のときのbn,cn,dnを求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安32

確率数列 状態分類漸化式の変形対称性の利用

方針

まず全確率の和が1であることを使い、an+1 だけの漸化式を作る。次に bn,cn,dn を個別に追うのではなく、差 xn=bncn, yn=cndn を導入する。1ステップの変化は xn+1=yn/3, yn+1=(xn+yn)/3 となり、3ステップごとにどちらも 1/27 倍になる。n=3m では yn=0 なので、和 bn+cn+dn=1an と差 bncn から3つの確率を復元する。

解答

(1)
時刻 n に頂点Aにいる確率は an であり、頂点B,C,Dにいる確率の和は bn+cn+dn=1an である。遷移規則から、時刻 n+1 にAにいる確率は an+1=12an+13(bn+cn+dn) である。したがって an+1=12an+13(1an)=13+16an である。

初期状態では点PはBにいるので a0=0 である。この漸化式の一定値を A とすると A=13+16A より A=25 である。よって an+125=16(an25) であり、an25=(16)n(a025)=25(16)nとなる。したがって an=25{1(16)n} である。

(2)
差を xn=bncn,yn=cndn とおく。まず遷移規則から bn+1=16an+13bn+13dn, cn+1=16an+13bn+13cn, dn+1=16an+13cn+13dn である。したがって xn+1=bn+1cn+1=13(cndn)=13yn であり、yn+1=cn+1dn+1=13(bndn)=13(xn+yn) である。

これを3回繰り返すと xn+3=127xn,yn+3=127yn となる。実際、1回目で (xn+1,yn+1)=(13yn,13(xn+yn)) であり、さらに計算すると3回後には上の式になる。

初期状態は a0=0,b0=1,c0=d0=0 だから x0=b0c0=1,y0=c0d0=0 である。したがって n=3m のとき bncn=xn=(127)m であり、cndn=yn=0 である。

(3) n=3m とする。(2)より cn=dn である。また bn+cn+dn=1an である。ここで δ=(127)m とおくと bncn=δ である。 cn=dn だから bn+2cn=1an であり、bn=cn+δ を代入すると 3cn+δ=1an である。したがって cn=dn=1anδ3 であり、bn=cn+δ=1an+2δ3 である。

(1) より an=25{1(16)n} だから、n=3m のとき bn=1an+2(127)m3, cn=dn=1an(127)m3 である。すなわち明示的にはbn=15+215(16)n+23(127)m,cn=dn=15+215(16)n13(127)mである。

別解

解法2(1の3乗根で循環成分を対角化する)

方針

まず an は他の3頂点の確率和だけで閉じた1次漸化式になる。残る bn,cn,dnω3=1 を用いて zn=bn+ωcn+ω2dn とまとめると等比数列になる。逆変換し,3n で簡約する。

解答

(1)
全確率が1であり bn+cn+dn=1an だから,初期値 a0=0 と合わせてan+1=12an+13(1an)=16an+13,an=25{1(16)n}.(2)
ω=1/2+(3/2)i1+ω+ω2=0 とし,zn=bn+ωcn+ω2dn とおく。確率漸化式を代入すると an の係数が消え,zn+1=ω23zn,z0=1,zn=(ω23)n.3n なら ω2n=1 なので zn=(1/3)n は実数である。したがってbncn=(13)n,cndn=0.(3)
sn=bn+cn+dn とおくとsn=1an=35+25(16)n.3n では zn=zn=(1/3)n である。逆変換bn=sn+zn+zn3,cn=sn+ω2zn+ωzn3,dn=sn+ωzn+ω2zn3へ代入するとbn=15+215(16)n+23(13)n,cn=dn=15+215(16)n13(13)nとなる。

総評

4つの確率をそのまま追わず、和と差に分ける発想が重要な問題。目安時間は32分。(1)は全確率の和を使えば an だけで閉じた漸化式になる。(2)では bncncndn の1ステップ変化を丁寧に書き、3ステップ後に 1/27 倍されることを確認するのが核心である。(3)は n=3m のとき cn=dn になるので、残りは和 1an と差 bncn から復元すればよい。

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出典: 九州大学 2021年度 一般選抜(後期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。