過去問データベース 過去問を探す

九州大学 2021年度
後期・理系数学 後期 第4問

問題

正四面体ABCDの頂点A,B,C,D上の動点Pが,時刻0には頂点Bにいるとする。0以上の整数に対して,時刻の位置が,時刻のPの位置から以下のルールに従って決まるとする。

● 時刻にPが頂点Aにいる場合
時刻にPはそれぞれ確率で頂点A,B,C,Dにいる。

● 時刻にPが頂点Bにいる場合
時刻にPはそれぞれ確率で頂点A,B,Cにいる。

● 時刻にPが頂点Cにいる場合
時刻にPはそれぞれ確率で頂点A,C,Dにいる。

● 時刻にPが頂点Dにいる場合
時刻にPはそれぞれ確率で頂点A,B,Dにいる。

0以上の整数に対して,時刻が頂点A,B,C,Dにいる確率をそれぞれとする。以下の問いに答えよ。

(1) を求めよ。

(2) が3の倍数のときのを求めよ。

(3) が3の倍数のときのを求めよ。

出典:九州大学 2021年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第4問

方針

解法1(確率漸化式と3期ごとの差を用いる)

まず全確率の和が1であることを使い、 だけの漸化式を作る。次に を個別に追うのではなく、差 , を導入する。1ステップの変化は , となり、3ステップごとにどちらも 倍になる。 では なので、和 と差 から3つの確率を復元する。

解法2(1の3乗根で循環成分を対角化する)

まず は他の3頂点の確率和だけで閉じた1次漸化式になる。残る を用いて とまとめると等比数列になる。逆変換し, で簡約する。

解答

解法1(確率漸化式と3期ごとの差を用いる)

(1)

時刻 に頂点Aにいる確率は であり、頂点B,C,Dにいる確率の和は である。遷移規則から、時刻 にAにいる確率は である。したがって である。

初期状態では点PはBにいるので である。この漸化式の一定値を とすると より である。よって であり、

となる。したがって である。

(2)

差を とおく。まず遷移規則から である。したがって であり、 である。

これを3回繰り返すと となる。実際、1回目で であり、さらに計算すると3回後には上の式になる。

初期状態は だから である。したがって のとき であり、 である。

(3)

とする。(2)より である。また である。ここで とおくと である。 だから であり、 を代入すると である。したがって であり、 である。

(1)より だから、 のとき である。すなわち明示的には

である。

解法2(1の3乗根で循環成分を対角化する)

(1)

全確率が1であり だから,初期値 と合わせて

(2)

とし, とおく。確率漸化式を代入すると の係数が消え,

なら なので は実数である。したがって

(3)

とおくと

では である。逆変換

へ代入すると

となる。