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九州大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

θ0<θ<π4をみたす定数とし,xの2次方程式x2(4cosθ)x+1tanθ=0(*)を考える。以下の問いに答えよ。

(1) 2次方程式(*)が実数解をもたないようなθの値の範囲を求めよ。

(2) θが(1)で求めた範囲にあるとし,
(*)の2つの虚数解をαβとする。
ただし,αの虚部はβの虚部より大きいとする。
複素数平面上の3点A(α)B(β)O(0)を通る円の中心をC(γ)とするとき,
θを用いてγを表せ。

(3)OACを(2)のように定めるとき,
三角形OACが直角三角形になるようなθに対するtanθの値を求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安25

複素数平面三角関数方程式・不等式 判別式円の性質三角比の利用

方針

(1) は二次方程式の判別式が負になる条件を、0<θ<π/4 の範囲で三角関数の不等式に直す。(2)では実係数で虚数解をもつため2根は共役であり、円の中心は実軸上にある。中心を実数 γ と置き、OA(α) までの距離が等しい条件から γ を求める。(3)では CO=CA であることから直角の位置を C に絞り、γ=2cosθtanθ の方程式へ変換する。

解答

(1)
二次方程式 x2(4cosθ)x+1tanθ=0 の判別式を D とするとD=(4cosθ)241tanθ=16cos2θ4tanθである。実数解をもたない条件は D<0 だから 16cos2θ<4tanθ である。0<θ<π4 では sinθ>0,cosθ>0 なので、両辺を整理して 4sinθcosθ<1 すなわち 2sin2θ<1 を得る。ここで 0<2θ<π2 であるから sin2θ<120<2θ<π6 と同値である。したがって求める範囲は 0<θ<π12 である。

(2) θ は(1)の範囲にあるので、2つの解 α,β は互いに共役な虚数である。よって α+β=4cosθ から、α の実部は α+β2=2cosθ である。また αβ=1tanθ であり、共役複素数の積は絶対値の2乗だから α2=1tanθ である。

3点 A(α),B(β),O(0) を通る円は、共役な2点 A,B に関して実軸対称である。したがってその中心 C(γ) は実軸上にあり、γ は実数である。

円の中心から OA までの距離が等しいので γ2=αγ2 である。γ は実数だから、α の実部を用いて γ2=α22γReα+γ2 となる。よって 2γReα=α2 であり、2γ2cosθ=1tanθ である。したがって γ=14cosθtanθ=14sinθ である。

(3)
O と点 A は、中心 C の円周上にあるので CO=CA である。したがって三角形 OACC を頂点とする二等辺三角形である。A は虚数点で実軸上にないため、直角が OA に来ることはなく、直角三角形になるなら直角は C にある。 C で直角になる条件は、実軸上の線分 COCA が垂直になることである。O=0, C=γ, Reα=2cosθ より、この条件は Reα=γ ではなく、C から見た A の横方向の成分が0になること、すなわち 2cosθγ=0 である。よって γ=2cosθ である。

(2) の結果を代入すると 14sinθ=2cosθ となる。したがって 8sinθcosθ=1 すなわち sin2θ=14 である。 u=tanθ とおくと sin2θ=2u1+u2 だから 2u1+u2=14 である。整理して u28u+1=0 となり、u=4±15 を得る。0<θ<π12 より 0<u<1 であるから tanθ=415 である。

別解

解法2(根の実部・絶対値と直角条件を用いる)

方針

判別式を sin2θ で整理して虚根条件を決める。2根は共役なので,円の中心は実軸上にあり,根の実部と絶対値から中心 γ を直接求める。直角三角形となる場合は直角が中心 C にあることを内積で確定する。

解答

(1)
判別式が負である条件は16cos2θ4tanθ<0.0<θ<π/4 では tanθ>0 だから4cos2θtanθ<12sin2θ<1.また 0<2θ<π/2 なので0<θ<π12である。

(2)
2根 α,β は共役であり,α+β=4cosθ,αβ=1tanθ.3点 0,α,β を通る円の中心は実軸上にあるので C(γ) とおける。半径が γ であることからαγ2=γ2.これを展開するとα22γReα=0.ここで α2=αβ=cotθReα=(α+β)/2=2cosθ だからγ=cotθ4cosθ=14sinθ.(3)
OC=AC=γ なので三角形 OAC は二等辺である。直角になり得るのは頂点 C であり,COCA=0から γ=Reα=2cosθ を得る。(2)と合わせて14sinθ=2cosθ,8sinθcosθ=1.u=tanθ とおくと8u1+u2=1,u28u+1=0.よって u=4±15 であるが,θ<π/12 より小さい方を選びtanθ=415となる。

総評

判別式、共役な虚数解、複素数平面上の円を一続きで使う問題。目安時間は25分。(1)では 2θ の範囲が 0<2θ<π/2 であることを使い、三角不等式を角度範囲に戻す。(2)は中心が実軸上にある理由を対称性から説明し、距離等式を実部と絶対値で処理するのが安定する。(3)では CO=CA の二等辺性から直角の位置を絞り、最後に tanθ の2解のうち範囲に合う小さい方を選ぶ。

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出典: 九州大学 2021年度 一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。