方針
(1) は2次式について差商を直接計算し、線分の中点で導関数と一致することを示す。(2)では線分 から 上の点を と置き、差商と の実部・虚部を比較する。虚部を0にする条件と実部を一致させる条件を同時に満たすかを見る。(3)も線分上の点を と置き、差商が になることから を仮定し、虚部が0になる候補を絞って実部が合わないことを示す。
解答
(1) のとき とおく。すると であるから、 より である。
一方 である。ここで とおくと、 は と を結ぶ線分の中点であり、 である。よってどのような も平均値の性質をもつ。
(2) , を結ぶ線分上の点は と表される。
まず差商を計算する。であるから である。
一方 だから である。これが実数 に等しいための条件は かつ である。第1式より であるから である。したがって第2式から すなわち が必要である。
逆に なら、 または は線分上の点を与え、上の2条件をみたす。 は差商と導関数の一致条件に制限を与えない。よって必要十分条件は であり、 は任意の実数である。
(3) である。これはそれぞれ偏角 , の絶対値1の複素数であるから である。したがってである。
線分上の点を とおく。もし平均値の性質をもつなら でなければならない。
ところが であり、その虚部は である。 で虚部が0になるのは だけである。 のとき であり、 ではない。また のときは であるから である。したがって線分上に条件をみたす は存在せず、 は平均値の性質をもたない。
別解
解法2(線分を実数パラメータで表示する)
方針
線分上の点を と表す。(1)は中点で成立する。(2)は と置いて実部・虚部を比較し,(3)は の6根の実部が線分の実部と一致しないことを示す。
解答
(1)
とし とする。線分の中点を選ぶとよって任意の と2次式で平均値の性質が成立する。
(2)
を結ぶ線分上の点を と表す。このとき両者の実部と虚部を比較すると第1式より なので が必要である。逆に ならこの2点で等式が成立する。したがって必要十分条件は であり, は任意の実数である。
(3)
与えられた では だから割線の傾きは である。平均値の性質が成り立つなら,線分上の点 がを同時に満たす必要がある。一方, の6根のうち実部が正のものは偏角 の2根だけで,その実部はである。これは に等しくない。実際,等しいと仮定して3乗すれば となり矛盾する。よって線分上に該当する は存在せず,平均値の性質をもたない。
総評
複素数平面上の線分に対して、差商と導関数を直接比較する問題。目安時間は32分。(1)は中点を選べばよいことを計算で示す基本確認で、(2)以降の方針にもなっている。(2)では線分上の点を と1変数化し、実部と虚部の条件を分けると必要十分性まで見通しやすい。(3)は候補を探すのではなく、 が必要だと仮定し、虚部0の候補を有限個に絞って実部で否定するのが堅い。