方針
(1) は媒介変数表示を微分し, で と がどの範囲にあるかを使って符号を判定する。(2) は曲線の端点がそれぞれ 軸上と直線 上にあることを確認し,境界の2本の線分が原点を通るため,で面積を求める。計算の係数を落としやすいので, を丁寧に展開する。別解として,(1) の単調性を用いて曲線を上側境界と見なし,三角形の面積とを足す方法も使える。(3)(4) は による対称性と,加法定理による の回転対応から概形を作る。
解答
(1) である。 では だから , である。よって である。
また である。 で, は で減少するから である。したがって である。以上より が成り立つ。
(2)
端点を確認すると, で であり, でである。この点は 上にある。
求める図形の境界は,原点から への 軸上の線分,曲線の の部分,および から原点への直線上の線分である。
曲線部分で部分積分を行うとしたがってとなる。右辺は,原点・・ の三角形の面積と,曲線下の面積の和であり,まさに求める面積である。よって面積 はで求められる。
ここで より である。したがってである。よってである。
(3)
まずである。したがって,媒介変数が の点と の点は 軸に関して対称であり,曲線 は 軸に関して対称である。
次に , とおく。 であるから,加法定理より右辺は点 を原点のまわりに反時計回りに 回転した座標である。必要なら から の整数倍を引けば,媒介変数を に取れる。よって回転後の点も 上にある。
(4)
一つの弧の代表点はである。(1) より,前半 では は減少し, は増加する。また, 軸に関する対称移動と 回転を続けて行うと直線 に関する対称移動になるので,後半の弧は前半の弧をこの直線に関して折り返した形になる。
さらには でともに になる。したがって六つの尖点はである。以上の一つの弧を ずつ回転してつなぐと,下図のような6回対称の閉曲線を得る。
別解
解法2((2)を縦の面積で直接計算)
方針
(1) (3)(4) は解法1と同じである。(2) だけ別に, の単調減少を用いて曲線をグラフとみなす。原点から までの三角形と, から6までの曲線下の面積に分ける。後者を媒介変数積分に直し,3つの三角積分を積和公式で最後まで計算する。
解答
(1)
符号判定は解法1と同じである。
(2)
では なので,曲線部分は の関数のグラフとみなせる。求める面積は
- 原点,, の三角形
- から までの曲線下の部分
の和である。三角形の面積は曲線下の面積を とするとここでしたがってよって(3)
対称性の証明は解法1と同じである。
(4)
概形の構成は解法1と同じである。
総評
公開問題PDFと原典TeXを照合済み。媒介変数曲線の微分,面積,対称性,概形を統合した重い問題である。(1) は の範囲,(2) は積分の向きと三角形の切り分け,(3) は と ,(4) は6回対称性が採点の核になる。解法2では省略されがちな3つの三角積分を全て展開した。想定時間は35分程度で,端点 , と尖点6個を図に明示する。