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九州大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

xy平面上の曲線Cを,媒介変数tを用いて次のように定める。x=5cost+cos5t,y=5sintsin5t(πt<π)以下の問いに答えよ。

(1) 区間0<t<π6において,
dxdt<0,dydx<0であることを示せ。

(2) 曲線C0tπ6の部分,x軸,
直線y=13xで囲まれた図形の面積を求めよ。

(3) 曲線Cx軸に関して対称であることを示せ。
また,C上の点を原点を中心として反時計回りにπ3だけ
回転させた点はC上にあることを示せ。

(4) 曲線Cの概形を図示せよ。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安35

積分三角関数図形と方程式 置換面積計算対称性の利用

方針

(1) は媒介変数表示を微分し,0<t<π/6t5t がどの範囲にあるかを使って符号を判定する。(2) は曲線の端点がそれぞれ x 軸上と直線 y=x/3 上にあることを確認し,境界の2本の線分が原点を通るため,12(xdyydx)で面積を求める。計算の係数を落としやすいので,xyyx を丁寧に展開する。別解として,(1) の単調性を用いて曲線を上側境界と見なし,三角形の面積とydxを足す方法も使える。(3)(4) は tt による対称性と,加法定理による tt+π/3 の回転対応から概形を作る。

解答

(1) dxdt=5sint5sin5t=5(sint+sin5t) である。0<t<π6 では 0<t<π6,0<5t<5π6<π だから sint>0sin5t>0 である。よって dxdt<0 である。

また dydt=5cost5cos5t=5(costcos5t) である。0<t<5t<π で,cosx0xπ で減少するから cost>cos5t である。したがって dydt>0 である。以上より dydx=dy/dtdx/dt<0 が成り立つ。

(2)

端点を確認すると,t=0(x,y)=(6,0) であり,t=π6x=532+cos5π6=23,y=512sin5π6=2である。この点は y=13x 上にある。

求める図形の境界は,原点から (6,0) への x 軸上の線分,曲線の 0tπ6 の部分,および (23,2) から原点への直線上の線分である。

曲線部分で部分積分を行うとxdy=[xy]t=0t=π/6ydx=43ydx.したがって12(xdyydx)=23ydxとなる。右辺は,原点・(23,0)(23,2) の三角形の面積と,曲線下の面積の和であり,まさに求める面積である。よって面積 SS=120π6(xdydtydxdt)dtで求められる。

ここで x=5cost+cos5t,y=5sintsin5t より dxdt=5sint5sin5t,dydt=5cost5cos5t である。したがってxdydtydxdt=(5cost+cos5t)(5cost5cos5t)(5sintsin5t)(5sint5sin5t)=2020cos6tである。よってS=120π620(1cos6t)dt=10[tsin6t6]0π6=5π3である。

(3)

まずx(t)=x(t),y(t)=y(t)である。したがって,媒介変数が t の点と t の点は x 軸に関して対称であり,曲線 Cx 軸に関して対称である。

次に X=x(t)Y=y(t) とおく。5(t+π/3)5tπ/3(mod2π) であるから,加法定理よりx(t+π3)=5cos(t+π3)+cos(5tπ3)=Xcosπ3Ysinπ3,y(t+π3)=5sin(t+π3)sin(5tπ3)=Xsinπ3+Ycosπ3.右辺は点 (X,Y) を原点のまわりに反時計回りに π/3 回転した座標である。必要なら t+π/3 から 2π の整数倍を引けば,媒介変数を πt<π に取れる。よって回転後の点も C 上にある。

(4)

一つの弧の代表点はt=0:(6,0),t=π6:(23,2),t=π3:(3,33)である。(1) より,前半 0<t<π/6 では x は減少し,y は増加する。また,x 軸に関する対称移動と π/3 回転を続けて行うと直線 y=x/3 に関する対称移動になるので,後半の弧は前半の弧をこの直線に関して折り返した形になる。

さらにdxdt=5(sint+sin5t),dydt=5(costcos5t)t=kπ/3 でともに 0 になる。したがって六つの尖点は(6,0), (3,33), (3,33), (6,0), (3,33), (3,33)である。以上の一つの弧を π/3 ずつ回転してつなぐと,下図のような6回対称の閉曲線を得る。

別解

解法2((2)を縦の面積で直接計算)

方針

(1) (3)(4) は解法1と同じである。(2) だけ別に,x の単調減少を用いて曲線をグラフとみなす。原点から x=23 までの三角形と,x=23 から6までの曲線下の面積に分ける。後者を媒介変数積分に直し,3つの三角積分を積和公式で最後まで計算する。

解答

(1)

符号判定は解法1と同じである。

(2)
0<t<π/6 では dx/dt<0 なので,曲線部分は x の関数のグラフとみなせる。求める面積は

- 原点,(23,0)(23,2) の三角形
- x=23 から x=6 までの曲線下の部分

の和である。三角形の面積は12232=23.曲線下の面積を I とするとI=236ydx=0π/6y(t)x(t)dt=50π/6(5sintsin5t)(sint+sin5t)dt=50π/6{5sin2t+4sintsin5tsin25t}dt.ここで0π/6sin2tdt=π1238,0π/6sintsin5tdt=120π/6(cos4tcos6t)dt=316,0π/6sin25tdt=[t2sin10t20]0π/6=π12+340.したがってI=5{5(π1238)+4316(π12+340)}=5π323.よってS=23+I=5π3.(3)

対称性の証明は解法1と同じである。

(4)

概形の構成は解法1と同じである。

総評

公開問題PDFと原典TeXを照合済み。媒介変数曲線の微分,面積,対称性,概形を統合した重い問題である。(1) は 5t の範囲,(2) は積分の向きと三角形の切り分け,(3) は tttt+π/3,(4) は6回対称性が採点の核になる。解法2では省略されがちな3つの三角積分を全て展開した。想定時間は35分程度で,端点 (6,0)(23,2) と尖点6個を図に明示する。

冊子PDFで見る九大の積分の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 2022年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。