方針
(1) は係数が左右対称なので、x=0 が解でないことを確認してから x2 で割り、x+x1 による相反方程式として解く。(2) は u=α−β、v=β−γ とおき、γ−α=−(u+v) を使って4乗和を因数分解する。最後に u/v の偏角と絶対値から3辺の長さが等しいことを示す。
解答
(1) x=0 は方程式の解でない。そこで両辺を x2 で割ると x2−2x+3−x2+x21=0 である。これは (x+x1)2−2(x+x1)+1=0 と書ける。したがって (x+x1−1)2=0 であり、x+x1=1 となる。両辺に x をかけて x2−x+1=0 を得る。よって x=21+3i,x=21−3i である。なお、もとの4次式は (x2−x+1)2 であり、これらは重解である。
(2) u=α−β,v=β−γ とおくと γ−α=−(u+v) である。条件は u4+v4+(u+v)4=0 となる。左辺を展開すると u4+v4+(u+v)4=2(u2+uv+v2)2 であるから、u2+uv+v2=0 を得る。
三角形 ABC を考えているので、v=β−γ=0 である。両辺を v2 で割ると (vu)2+vu+1=0 である。ここで X=−vu とおくと X2−X+1=0 となるので、(1) より X=21±3i である。したがって vu=−X は絶対値が 1 で、偏角が ±32π の複素数である。
よって ∣u∣=∣v∣ である。また、u/v の偏角が ±32π であるから、1+u/v の絶対値も 1 である。したがって ∣u+v∣=∣v∣1+vu=∣v∣ である。すなわち ∣α−β∣=∣β−γ∣=∣γ−α∣ となる。三角形 ABC の3辺の長さがすべて等しいので、△ABC は正三角形である。
別解
解法2(第1問の4次方程式を回転比に使う方法)
方針
(1) は4次式を平方に因数分解する。(2) では z=α−β,w=γ−β とおき,x=w/z が (1) と同じ4次方程式を満たすことを示す。解 x=cos(π/3)±isin(π/3) から,点 C は点 A を B のまわりに ±π/3 回転した点だと読む。
解答
(1) x4−2x3+3x2−2x+1=(x2−x+1)2だからx2−x+1=0.よってx=21±3iであり,それぞれ2重解である。
(2) z=α−β,w=γ−βとおく。三角形の頂点は異なるので z=0 である。また
β−γ=−w,γ−α=w−z だから,与式はz4+w4+(w−z)4=0.z4 で割り,X=w/z とおくと1+X4+(X−1)4=0,すなわちX4−2X3+3X2−2X+1=0となる。(1) よりX=21±3i=cos3π±isin3π.したがって BC は BA を
±π/3 回転したベクトルであり,長さは変わらない。
よって BA=BC かつ ∠ABC=π/3 であるから,△ABC は正三角形である。
総評
相反方程式と複素数平面上の辺ベクトルを組み合わせる問題。目安時間は18〜22分。(1) では4次方程式が実質的に2次方程式の2乗になることを見抜くのが入口である。(2) は γ−α=−(u+v) と置けるかが決め手で、u2+uv+v2=0 から角度 120∘ と長さの一致を読み取れば、正三角形であることが自然に出る。 因数分解から3辺の長さを比較する方法と,(1) の4次方程式を辺ベクトルの回転比にそのまま利用する方法を相互検算に使える。回転角 π/3 を図示した。
冊子PDFで見る九大の複素数平面の問題で問題集を作る
出典: 九州大学 令和5年度一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。