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九州大学 2023年度 前期日程 一般選抜理系数学 第2問

αを実数とする。数列{an}a1=α,an+1=an1+an1(n=1,2,3,)で定められるとき,以下の問いに答えよ。

(1) α1のとき,数列{an}の収束,発散を調べよ。

(2) α>2のとき,数列{an}の収束,発散を調べよ。

(3) 1<α<32のとき,数列{an}の収束,発散を調べよ。

(4) 32α<2のとき,数列{an}の収束,発散を調べよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

数列関数 漸化式の変形、場合分け、絶対値の処理

方針

絶対値を外すと、an1 なら an+1=2an2an<1 なら an+1=0 である。したがって、一度 1 未満になれば次の項からずっと 0 になる。各 α の範囲で、初期値がすぐ 1 未満へ落ちるか、an2 が倍々に増えて発散するか、または有限回後に 1 未満へ落ちるかを判定する。

解答

まず漸化式を場合分けする。an1 のときは an+1=an1+an1=2an2 であり、an<1 のときは an+1=an1+an1=(1an)+an1=0 である。特に、一度 an<1 となれば、その次から 0 が続く。

(1) α1 のとき、a1=α1 である。α<1 なら上の後半の場合から a2=0 であり、α=1 でも a2=212=0 である。以後は an=0 が続く。したがって数列は 0 に収束する。

(2) α>2 とする。an>2 なら an1 なので an+1=2an2 であり、an+12=2(an2) である。a12=α2>0 だから帰納的に an2=2n1(α2) となる。よって an+ であり、数列は正の無限大に発散する。

(3) 1<α<32 のときは a11 なので a2=2α2 である。この範囲では 0<a2<1 となる。したがって a3=0 であり、以後も 0 が続く。よって数列は 0 に収束する。

(4) 32α<2 とする。an1 である間は an+1=2an2 である。そこで bn=an1 とおくと、この間は bn+1=an+11=2an3=2bn1 である。この漸化式を解くと bn=12n1(2α) となる。実際、b1=α1=1(2α) であり、上の式は漸化式 bn+1=2bn1 を満たす。

ここで 2α>0 であるから、2n1(2α) はいくらでも大きくなる。したがって有限回のうちに bn<0、すなわち an<1 となる。すると次の項は 0 になり、以後も 0 が続く。よってこの場合も数列は 0 に収束する。

別解

解法2(固定点2からのずれを追う方法)

方針

写像 F(x)=x1+x1x1F(x)2=2(x2)x<1F(x)=0 である。軌道が 1 以上にある間は an=2+2n1(α2) と明示できるので,α<2 では有限回後に 1 未満へ落ち,α>2 では増大することを一つの式で判定する。

解答

写像F(x)=x1+x1F(x)={2x2(x1),0(x<1)である。したがって一度 an<1 となれば an+1=0 となり,
以後はすべて 0 である。

ak1 が続く間はak+12=2(ak2)だからan=2+2n1(α2)(1)である。

(1)
α<1 なら直ちに a2=0α=1 でも
a2=0 である。よって 0 に収束する。

(2)
α>2 なら (1) は常に 2 より大きく,an=2+2n1(α2)+.よって正の無限大に発散する。

(3)
1<α<3/2 ではa2=2α2<1だから a3=0 となり,以後も 0 である。よってan0である。

(4)
3/2α<2 とする。2α>0 なので2N1(2α)>1を満たす自然数 N が存在する。そのような最小の N をとると,
k<N では (1) の値が 1 以上であるから漸化式を適用でき,aN=22N1(2α)<1となる。よって aN+1=0 であり,以後も 0 である。

したがってan0である。

総評

絶対値付き漸化式を一次写像の反復として分類する問題。目安時間は18〜22分。最初に an1an<1 で写像を分け、「1 未満になったら次から 0」という吸収状態を押さえると全体が見える。α>2 だけは an2 が2倍ずつ増えるため発散し、32α<2 では有限回後に 1 未満へ落ちることを式で示すのが採点上の要点である。 場合分けによる標準解法に加え,固定点2からのずれ an2 を追う統一的な方法を示した。1<α<2 では有限回後に 1 未満へ落ちることを最小の到達時刻で厳密に確認した。

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出典: 九州大学 令和5年度一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。