問題
を実数とする。数列が
で定められるとき,以下の問いに答えよ。
(1) のとき,数列の収束,発散を調べよ。
(2) のとき,数列の収束,発散を調べよ。
(3) のとき,数列の収束,発散を調べよ。
(4) のとき,数列の収束,発散を調べよ。
方針
解法1(標準解法)
絶対値を外すと、 なら 、 なら である。したがって、一度 未満になれば次の項からずっと になる。各 の範囲で、初期値がすぐ 未満へ落ちるか、 が倍々に増えて発散するか、または有限回後に 未満へ落ちるかを判定する。
解法2(固定点2からのずれを追う方法)
写像 は で , で である。軌道が 以上にある間は と明示できるので, では有限回後に 未満へ落ち, では増大することを一つの式で判定する。
解答
解法1(標準解法)
まず漸化式を場合分けする。 のときは であり、 のときは である。特に、一度 となれば、その次から が続く。
(1)
のとき、 である。 なら上の後半の場合から であり、 でも である。以後は が続く。したがって数列は に収束する。
(2)
とする。 なら なので であり、 である。 だから帰納的に となる。よって であり、数列は正の無限大に発散する。
(3)
のときは なので である。この範囲では となる。したがって であり、以後も が続く。よって数列は に収束する。
(4)
とする。 である間は である。そこで とおくと、この間は である。この漸化式を解くと となる。実際、 であり、上の式は漸化式 を満たす。
ここで であるから、 はいくらでも大きくなる。したがって有限回のうちに 、すなわち となる。すると次の項は になり、以後も が続く。よってこの場合も数列は に収束する。
解法2(固定点2からのずれを追う方法)
写像
は
である。したがって一度 となれば となり,以後はすべて である。
が続く間は
だから
である。
(1)
なら直ちに , でも である。よって に収束する。
(2)
なら (1) は常に より大きく,
よって正の無限大に発散する。
(3)
では
だから となり,以後も である。よって
である。
(4)
とする。 なので
を満たす自然数 が存在する。そのような最小の をとると, では (1) の値が 以上であるから漸化式を適用でき,
となる。よって であり,以後も である。
したがって
である。