Evolton

名古屋大学 1983年度 前期日程 第2次学力試験 三角関数・微分理系数学 第3問(b)

曲線 y=sinx と直線 y=ax+b との交わりが、どんな b に対してもただ1点であるような a の範囲を求めよ。

難易度6/ 10計算量4/ 10目安19

三角関数微分関数 増減表必要十分条件グラフの概形

方針

交点条件を f(x)=bf(x)=sinxax と書く。任意の b に対して解がただ1つとなるための、f の単調性と値域を調べる。端の a=±1 でも厳密な単調性が保たれることを確認する。

解答

f(x)=sinxaxとおく。a1 のときf(x)=cosxa0.等号となる点は孤立しているので f は厳密に減少する。またlimxf(x)=,limxf(x)=.したがって任意の実数 b に対し f(x)=b はただ1解をもつ。

同様に a1 ならf(x)=cosxa0f は厳密に増加し、値域は実数全体である。よってこの場合も交点はただ1つである。

一方 1<a<1 ならf(0)=1a>0,f(π)=1a<0.したがって f は単調ではない。もしすべての b に対して f(x)=b がただ1解なら、連続な f は実数全体から実数全体への1対1対応となり、厳密に単調でなければならないので矛盾する。

以上よりa1またはa1.

別解

解法2(2交点をもつための割線の傾き)

方針

同じ直線が正弦曲線と異なる2点で交わるなら、その傾きは2点間の割線の傾きに等しい。平均値の定理から正弦曲線の割線の傾きは絶対値1未満である。これを一意性の十分条件に使い、a<1 では平行な接線の間の切片を選んで複数交点を作る。

解答

異なる x1<x2 で同じ直線と交わるならa=sinx2sinx1x2x1.平均値の定理により右辺はある c(x1,x2) に対する cosc である。また、区間全体で cosx=1 または 1 となることはないので、異なる2点に対する割線ではsinx2sinx1x2x1<1.したがって a1 の直線は正弦曲線と2点以上で交わらない。

さらに a\neqq0 なら sinxax は両端で互いに逆向きの無限大へ進むので、任意の b について少なくとも1つ交点がある。a=±1 も含め、a1 では交点はちょうど1つである。

逆に a<1 なら cosx=a を満たす点が各周期に2つあり、傾き a の接線が極大側・極小側に現れる。その2本の間の切片をもつ平行線を選べば、正弦曲線と複数点で交わる。よって条件を満たさない。

したがって答えはa1またはa1である。

総評

任意の切片に対する交点の一意性を、sinxax の単調性または正弦曲線の割線の傾きへ読み替える問題。目安時間は19分。端点 a=±1 を含み、a<1 は1つの反例切片で除外すればよい。2解法で必要十分性を確認した。

冊子PDFで見る名大の三角関数の問題で問題集を作る

出典: 名古屋大学 1983年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。