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名古屋大学 1989年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

空間に2点F1F2がある.
その間の距離を2とし,中点をOとする.
次の条件(i),(ii)を満たす点P全体のなす立体の体積を求めよ.

(i) OPr(ただし,r22r3を満たす定数)

(ii) PF1+PF26

難易度8/ 10計算量8/ 10目安30

図形と方程式積分 座標設定体積計算、場合分け

方針

焦点を x 軸上の (1,0,0),(1,0,0) に置く。距離の和の条件は長半径3、短半径 22 の回転楕円体を表す。固定した x で、楕円体の円断面から半径 r の球の円断面を引き、2つの断面が一致する境目で積分区間を分ける。

解答

座標をF1=(1,0,0),F2=(1,0,0),O=(0,0,0)となるように取る。条件 PF1+PF26 は、焦点間距離2、長半径3の回転楕円体を表す。短半径は3212=22だから、その内部はx29+y2+z281.(1)x を固定したとき、(1)の断面円の半径の2乗はRE2=8(1x29).一方、球 OP<r の断面円の半径の2乗は、x<rRB2=r2x2.両断面が一致する境目は8(1x29)=r2x2よりx2=9(r28).そこでx0=3r28とおく。範囲 22r3 では 0x0r である。

対称性から x0 の体積を2倍する。x0xr では楕円体の断面から球の断面を引いた円環が残り、rx3 では楕円体の断面全体が残る。したがってV=2πx0r{8(1x29)(r2x2)}dx+2πr38(1x29)dx.(2)s=r28 とおけば x0=3s である。第1の積分は3sr(8r2+x29)dx=[(8r2)x+x327]3sr=8r2627r3+2s3,第2の積分はr3(88x29)dx=[8x8x327]r3=168r+827r3.これらを (2) に代入するとV=4π{8r33+(r28)3/2}.r=3 ではこの値が0となり、球が楕円体を覆う境界の場合とも一致する。

別解

解法2:楕円体全体から球との共通部分を引く

方針

まず回転楕円体全体の体積を求める。球との共通部分は、中心付近では楕円体の断面全体、外側では球の断面全体になるため、断面が一致する x0 で積分を分ける。最後に全体から共通部分を引く。

解答

回転楕円体x29+y2+z281の半軸は 3,22,22 だから、その体積はVE=4π332222=32π.(1)OP<r との共通部分を考える。2つの断面円が一致する位置はx0=3r28である。0xx0 では楕円体の断面が球の内側にあり、x0xr では球の断面が楕円体の内側にある。したがって共通部分の体積 VIVI=2π0x08(1x29)dx+2πx0r(r2x2)dx.s=r28x0=3s を代入して整理するとVI=4π{r33s3}.求める体積は楕円体のうち球の外側なので、(1)からV=VEVI=4π{8r33+(r28)3/2}.

総評

難度は10段階中8、計算量は10段階中8。焦点からの距離の和を回転楕円体へ読み替え、球との包含関係が x によって変わることを断面で処理する問題である。最大の注意点は、xr では球の断面が存在しないことと、中心付近では球が楕円体断面を覆うこと。境界値 r=22,3 を代入して体積の符号と極端な場合を検算したい。目安時間は30分。

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出典: 名古屋大学 1989年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。