方針
重心を原点に置き、向かい合う辺の中点を結ぶ3方向が互いに垂直であることを、辺長の等しさと内積から示す。その3方向を座標軸に取ると4頂点が符号だけ異なる形に表せる。各辺の2乗を計算し、余弦定理の鋭角条件を確認する。
解答
頂点の位置ベクトルを同じ文字 で表し、重心を原点に取る。このとき を用いる。(1)より だからよって と は垂直である。同様に を使うとは互いに垂直である。
これらの方向を3本の座標軸に取ると、正の数 を用いてと表せる。四面体が退化していないので である。
(2) から三角形 の角 について余弦定理より である。同様にだから も鋭角である。したがって は鋭角三角形である。
別解
解法2:向かい合う辺の中点間距離を使う
方針
三角形 の辺長を、等しい向かい合う辺ごとに とおく。向かい合う2辺の中点間距離を展開すると、他の2辺の2乗和からその辺の2乗を引いた量が得られる。非退化な四面体ではこの距離が正なので、3つの鋭角条件が順に従う。
解答
辺長をとおく。
まず辺 の中点を 、辺 の中点を とする。位置ベクトルを用いて展開すると、一般に実際、両辺は を展開した同じ式になる。
与えられた辺長を (1) に代入するとしたがってここで なら となり、4点は1つの平面上の平行四辺形を作って四面体が退化するため、 である。
同様に、辺 の中点間距離、辺 の中点間距離を考えると三角形 の辺長は である。(2),(3)は、それぞれ各辺の2乗が残り2辺の2乗和より小さいことを表す。余弦定理より3つの角はすべて より小さい。よって は鋭角三角形である。
総評
難度は10段階中7、計算量は10段階中6。向かい合う3組の辺が等しい四面体を、符号の異なる4頂点として座標化する方法と、中点間距離だけで処理する方法を示した。どちらも非退化な四面体であるため直交方向の長さや中点間距離が正になる点が、鋭角を「厳密な不等号」で示す鍵である。行列式や外積は不要で、内積と余弦定理だけで完結する。目安時間は20分。