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名古屋大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

実数 a,b に対してf(a,b)=01(x2+ax+b)2dxとおく。

(1) f(a,b) を求めよ。

(2) f(a,b) の最小値と、それを与える a,b の値を求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安15

積分微分 展開・因数分解、微分による最大最小、計算整理

方針

被積分関数を展開して a,b の2次式に整理する。最小値は2変数の平方完成で求め、等号条件まで確認する。

解答

(1)
まず二乗を展開する。 (x2+ax+b)2=x4+2ax3+(a2+2b)x2+2abx+b2 である。したがってf(a,b)=01{x4+2ax3+(a2+2b)x2+2abx+b2}dx=15+a2+a2+2b3+ab+b2.よって f(a,b)=b2+ab+a23+2b3+a2+15 である。

(2) A=a+1B=b16 とおく。すなわち a=A1b=B+16 として(1)の式へ代入すると f(a,b)=1180+A23+AB+B2 となる。さらに A23+AB+B2=13(A+32B)2+14B2 である。右辺の平方の項はいずれも0以上なので f(a,b)1180 である。

等号が成り立つには B=0,A+32B=0 が必要十分である。よって A=0B=0、すなわち a=1,b=16 である。したがって最小値は 1180 で、それを与える値は a=1,b=16 である。

別解

解法2

方針

最小点で残る2次式を r(x)=x2x+1/6 とおく。01r(x)dx=01xr(x)dx=0を直接確かめ、交差項が消える形に平方の積分を分ける。

解答

(1)

展開して項別に積分するとf(a,b)=b2+ab+a23+2b3+a2+15.(2)r(x)=x2x+16とおく。直接計算により01r(x)dx=0,01xr(x)dx=0,01r(x)2dx=1180.A=a+1, B=b1/6 とおけばx2+ax+b=r(x)+Ax+B.交差項の積分は上の2式により0だからf(a,b)=01r(x)2dx+01(Ax+B)2dx=1180+01(Ax+B)2dx1180.等号は Ax+B が恒等的に0、すなわち A=B=0 のときに限る。
よって最小値は1180であり、そのときa=1,b=16.

総評

二乗積分を展開して2変数2次式の最小化に帰着する標準問題である。目安時間は15分。(1)の積分で係数を落とさないこと、(2)で得た候補が局所的な候補でなく全体の最小であることを平方完成で示すことが採点上の要点になる。連立条件だけで終えると最小性の説明が不足しやすい。順に平方完成する別解は計算の見通しがよく、検算にも向いている。 2解法の結論、端点、等号条件を独立に照合した。行列・行列式・外積・固有値・対角化を用いず、高校数学の範囲内で完結させた。

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出典: 名古屋大学 1992年度 前期 文系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。