方針
絶対値の中身が符号を変える点c=a1/nで積分を分ける。端点では被積分関数が0になることを使ってaで微分し、増減から最小値を決める。
解答
(1) c=a1/nとおくと0<c<1であり、xn+1−ax=x(xn−a)はx=cで符号を変える。したがってSn(a)=∫0c(ax−xn+1)dx+∫c1(xn+1−ax)dx.x=cでは各被積分関数が0になるため、境界の移動による項は消える。よってSn′(a)=∫0cxdx−∫c1xdx=c2−21.c=a1/nはaとともに増加するので、Sn′(a)はc<21で負、その後は正である。ゆえにc=21,an=cn=2−n/2.(2) 上の分割積分を計算するとSn(an)=2cn+2−n+2cn+2+n+21−cn+2−2cn(1−c2).c2=1/2より第1項と第4項が消し合い、Sn(an)=n+21−2cn+2=n+21−2−n/2.したがってn→∞limnSn(an)=n→∞limn+2n(1−2−n/2)=1.
別解
解法2
方針
符号変化点cを新しい変数とし、a=cnを積分後に代入する。Snをcの関数として直接微分し、因数分解された導関数から最小点を決める。
解答
(1) a=cn (0<c<1)とおく。絶対値をx=cで分けて先に積分するとSn(cn)=∫0c(cnx−xn+1)dx+∫c1(xn+1−cnx)dx=n+21−2cn+2+cn(c2−21).これをcで微分する。第1項から出る項と第2項の一部が消え、dcdSn(cn)=ncn−1(c2−21).n>0, c>0だから、これは0<c<21で負、21<c<1で正である。したがって唯一の最小点はc=21であり、an=2−n/2.(2) この値を積分後の式へ代入するとSn(an)=n+21−2−n/2,ゆえに求める極限はn→∞limnSn(an)=1.
総評
難度は6、計算量は5。絶対値の符号変化点をc=a1/nと置くことが核心である。a微分とc微分の2解法を照合し、最小点が内部にただ1つあること、端の挙動、最小値の式、極限を確認した。積分と極限は表示数式に分離し、指数的に0へ近づく項も明示した。
冊子PDFで見る名大の積分の問題で問題集を作る
出典: 名古屋大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。