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名古屋大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

f(t)=0π2cosxtsinxdxとおく.

(1) cosθ=tsinθ (0<θ<π2,t>0)のとき,
sinθcosθtで表せ.

(2) 関数f(t)t>0における最小値を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安14

積分三角関数微分 場合分け、定積分評価微分による最大最小

方針

絶対値の中身 cosxtsinx が符号を変える点を θ とする。cosθ=tsinθ から sinθcosθt で表し、積分区間を [0,θ][θ,π/2] に分ける。すると f(t)=21+t2t1 まで整理できるので、微分して最小値を求める。端に近づく場合も確認し、臨界点が本当に最小であることを押さえる。

解答

(1) cosθ=tsinθ であり、0<θ<π/2t>0 だから sinθ>0cosθ>0 である。よって tanθ=1t である。直角三角形で、向かい合う辺を 1、隣の辺を t と見れば斜辺は 1+t2 である。したがってsinθ=11+t2,cosθ=t1+t2である。

(2) cosxtsinxx=θ で0になる。また 0x<θ では正、θ<xπ/2 では負である。したがってf(t)=0θ(cosxtsinx)dx+θπ/2(tsinxcosx)dxである。

第1項は [sinx+tcosx]0θ=sinθ+tcosθt であり、第2項は[tcosxsinx]θπ/2=tcosθ+sinθ1である。よって f(t)=2(sinθ+tcosθ)t1 となる。(1)を代入するとsinθ+tcosθ=11+t2+t21+t2=1+t2だから f(t)=21+t2t1 である。

微分すると f(t)=2t1+t21 である。f(t)=02t=1+t2 と同値であり、t>0 より 4t2=1+t2 なので t=13 である。また f(t)=2(1+t2)3/2>0 であるから、この点で最小をとる。

したがって最小値はf(13)=21+13131=43131=31である。

別解

解法2:合成した余弦と平方完成

方針

cosxtsinx を振幅 1+t2 の余弦へ合成する。零点を境に絶対値積分を計算し、得られた式の最小値は平方して同値な完全平方の不等式から求める。

解答

(1) cosθ=tsinθsin2θ+cos2θ=1より、0<θ<π/2 に注意してsinθ=11+t2,cosθ=t1+t2.(2)
ϕcosϕ=11+t2,sinϕ=t1+t2で定めるとcosxtsinx=1+t2cos(x+ϕ).零点は x=π/2ϕ である。そこで符号を分けて積分するとf(t)=21+t2t1.ここで21+t2t3を示す。両辺へ t を加えた量は正なので、平方してよい。するとこの不等式は4(1+t2)(t+3)2と同値であり、さらに(3t1)20と同値である。等号はt=13のときに成り立つ。したがってmint>0f(t)=31.

総評

絶対値付き三角積分を、符号変化点で分けて処理する問題である。目安時間は14分。cosxtsinx の符号を見ずに絶対値を外すと失点につながる。(1)で得る sinθ,cosθ をそのまま(2)の積分値に使うと、f(t)=21+t2t1 まで短く整理できる。最小値では f(t)=0 だけでなく、f(t)>0 または増減で最小であることを確認するとよい。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

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出典: 名古屋大学 1991年度 前期 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。