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名古屋大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

関数fn(x) (n=1,2,)を次によって定める.f1(x)=x,fn(x)=x+1201ex+yfn1(y)dy(n=2,3,)このとき,次の問に答えよ.

(1) f2(x)を求めよ.

(2) fn(x)を求めよ.

(3) limnfn(x)を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安16

積分数列指数・対数 漸化式の変形、帰納的定義の利用、極限計算

方針

定義式の積分部分は、x に関しては常に ex 倍の定数になる。そこで fn(x)=x+Cnex の形を予想し、代入して係数 Cn の漸化式に落とす。f1(x)=x から C1=0Cn=(1+Cn1)/2 が得られるので、これを解いて一般項を出す。最後に n として係数の極限を取る。

解答

(1)
定義よりf2(x)=x+1201ex+yydy=x+12ex01yeydyである。部分積分により 01yeydy=[yey]0101eydy=e(e1)=1 である。したがって f2(x)=x+12ex である。

(2) fn(x)=x+Cnex の形になることを示す。f1(x)=x だから C1=0 である。いま fn1(x)=x+Cn1ex と書けるとする。このとき fn(x)=x+12ex01ey{y+Cn1ey}dy である。すでに 01yeydy=1 であり、また 01eyCn1eydy=Cn1 であるから fn(x)=x+12(1+Cn1)ex となる。よって Cn=1+Cn12 である。

この漸化式は 1Cn=12(1Cn1) と変形できる。C1=0 なので 1Cn=(12)n1 であり Cn=112n1 である。したがって fn(x)=x+(112n1)ex である。

(3)
(2)の式で 12n10 だから、各 x について limnfn(x)=x+ex である。

別解

解法2:隣り合う関数の差を追う

方針

gn=fnfn1 とおく。最初の差は ex/2 であり、漸化式の差を取ると同じ形の係数が毎回半分になる。差を等比級数として足して fn と極限を得る。

解答

(1) f2(x)=x+12ex01yeydy=x+12ex.ここでは部分積分により01yeydy=1を用いた。

(2) gn(x)=fn(x)fn1(x)(n2)とおく。まずg2(x)=12ex.また定義式の差を取るとgn(x)=12ex01eygn1(y)dy.gn1(y)=2(n2)eyならgn(x)=12ex012(n2)dy=2(n1)ex.よって数学的帰納法によりgn(x)=2(n1)ex.したがってfn(x)=f1(x)+k=2ngk(x)=x+(j=1n112j)ex=x+(112n1)ex.(3)limnfn(x)=x+ex.

総評

積分で定義された関数列を、係数の漸化式に変換する問題である。目安時間は16分。積分の中の ex+yexey と分けると、x 依存は ex だけになる。この観察から fn(x)=x+Cnex と置けるかが勝負である。部分積分 01yeydy=1 と、Cn=(1+Cn1)/2 の解法を省略せず書けば、極限は直ちに従う。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

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出典: 名古屋大学 1991年度 前期 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。