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名古屋大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

0<x<π4を満たすすべてのxに対し,
次の不等式が成り立っているとする.sin3x+tsin2x>0このときtの範囲を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

三角関数方程式・不等式 三角比の利用、範囲評価、同値変形

方針

区間 0<x<π/4 では sin2x>0 なので,不等式を t>sin3x/sin2x と直す。あとは sin3x/sin2x の下限を開区間で正しく調べる問題になる。三角関数を cosx で表し,端点 x=π/4 が含まれないため,境界値では等号を許してよいことを最後に確認する。

解答

0<x<π/4 では sin2x>0 である。したがって sin3x+tsin2x>0t>sin3xsin2x と同値である。よって,すべての x に対してこの不等式が成り立つように,右辺の上限を調べればよい。

まずsin3xsin2x=sinx(34sin2x)2sinxcosx=4cos2x12cosx=2cosx12cosxである。u=cosx とおくと,0<x<π/4 より 22<u<1 である。また ϕ(u)=2u12u とおけば ϕ(u)=2+12u2>0 であるから,ϕ(u)u の増加関数である。したがってsin3xsin2x=ϕ(u)>ϕ(22)=22である。ここで x=π/4 は区間に含まれないため,等号は起こらない。

よってすべての x について sin3xsin2x<22 である。したがって t22 ならば,すべての x について t>sin3xsin2x が成り立つ。

逆に,もし t<22 なら,t>2/2 である。xπ/4 に十分近い値として 0<x<π/4 の範囲で選べば sin3xsin2x<t となり,すなわち sin3x+tsin2x<0 となって条件に反する。

以上より,求める範囲は t22 である。

境界値を与える比の変化

別解

解法2

方針

不等式を sin2x>0 で割り、比 g(x)=sin3x/sin2xx のまま微分する。
開区間の右端でのみ近づく下限を使い、境界値が許される理由も確認する。

解答

0<x<π/4 では sin2x>0 だから、条件はt>sin3xsin2xと同値である。ここでg(x)=sin3xsin2x=2cosx12cosxとおく。微分するとg(x)=sinx(2+12cos2x)<0なので、g は区間内で単調減少する。したがってg(x)>limxπ/40g(x)=22.よってg(x)<22であり、t=2/2 でも元の不等式は真に正となる。

一方、t<2/2 なら、xπ/4 に十分近づけることで
tg(x) となる x を選べ、条件に反する。以上よりt22である。

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中4。目安時間は12分から18分。不等式が「すべての x」で成り立つ条件なので,t の境界値を端点極限から決める問題である。sin2x>0 を確認してから割ること,x=π/4 が含まれないため t=2/2 が許されることが重要である。閉区間の最小値問題のように扱うと,境界の等号条件を誤りやすい。 2解法の結論を照合し、条件の必要十分性、端点、符号、定義域、等号成立条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式による説明も併記している。

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出典: 名古屋大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。