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名古屋大学 1998年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

座標平面上に4点A(0,1)B(0,0)C(1,0)D(1,1)を頂点とする正方形を考え,
この正方形の頂点上を点Qが1秒ごとに一つの頂点から隣の頂点に移動しているとする.
さらに,点Qは,x軸と平行な方向の移動について確率p
y軸と平行な方向の移動について確率1pで移動しているものとする.
最初に点Qが頂点Aにいたとするとき,
n秒後に頂点ACにいる確率をそれぞれancnとする.
ancnを求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安18

確率 状態分類、二項定理、独立性の利用

方針

頂点の位置は、横方向に動いた回数と縦方向に動いた回数の偶奇で完全に決まる。AC は対角なので、奇数秒後にはどちらにもいない。偶数秒後だけを考え、横移動回数が偶数なら A、奇数なら C として、二項展開から偶数項和・奇数項和を取り出す。

解答

q=1p とおく。n 秒間で横方向に動いた回数を H とする。横方向の移動は x 座標を反転させ、縦方向の移動は y 座標を反転させる。出発点は A(0,1) である。 A または C にいるには、移動後も x 座標と y 座標の偶奇がそろっている必要がある。これは移動回数 n が偶数であるときに限られる。したがって n が奇数なら an=0,cn=0 である。

次に n=2m とする。このとき縦方向の移動回数は 2mH であるから、H が偶数なら縦方向の移動回数も偶数で、点は A にいる。H が奇数なら縦方向の移動回数も奇数で、点は C にいる。よって a2m=j=0m2mC2jp2jq2m2j である。

偶数項和を求めるため、(p+q)2m=1(qp)2m=h=02m2mCh(1)hphq2mh を加える。奇数次の項が消えるので 2a2m=1+(qp)2m=1+(12p)2m である。したがって a2m=1+(12p)2m2 である。

また偶数秒後には AC のどちらかに必ずいるので a2m+c2m=1 である。ゆえに c2m=1(12p)2m2 である。

以上をまとめると、an={0(n が奇数),1+(12p)n2(n が偶数),cn={0(n が奇数),1(12p)n2(n が偶数)である。

別解

解法2

方針

奇数秒後には対角の2点 A,C のどちらにもいない。偶数秒後だけを2秒単位の2状態過程と見て、A,C にいる確率の和と差の漸化式を作る。和は1、差は毎回 (12p)2 倍となる。

解答

q=1p とおく。奇数秒後には正方形の B,D 側にいるのでan=cn=0(n が奇数)である。

n=2m とする。2秒間で同じ方向へ2回動く確率をu=p2+q2,横・縦へ1回ずつ動く確率をv=2pqとする。前者では A,C の側が変わらず、後者では入れ替わる。従ってa2m+2=ua2m+vc2m,c2m+2=va2m+uc2m.初期値は a0=1, c0=0 であり、和についてa2m+c2m=1,差についてa2m+2c2m+2=(uv)(a2mc2m)=(pq)2(a2mc2m)を得る。よってa2mc2m=(pq)2m=(12p)2m.以上からan={0(n が奇数),1+(12p)n2(n が偶数),cn={0(n が奇数),1(12p)n2(n が偶数)である。

総評

文系第2問より範囲が広く、n の偶奇までまとめる必要がある問題で、想定時間は18分程度。奇数秒後に A,C へ行けないことを最初に書かないと、式だけが先行して不自然になる。偶数秒後は横移動回数 H の偶奇だけで決まるため、二項分布の偶数項和を正確に取り出せばよい。最後の表示では、偶数の場合に n=2m を戻して (12p)n と書けることも確認しておきたい。

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出典: 名古屋大学 1998年度 前期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。