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名古屋大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

ABがゲームをくり返す.
それぞれ最初の持ち点は2で,
ゲームごとに勝者は敗者から1点をもらい,
どちらか一方の持ち点が0になるまで続ける.
ただし,各ゲームにおいて,Aが勝つ確率をpBが勝つ確率を1pとする.

(1) ちょうど4回目のゲームでどちらか一方の持ち点が0になる確率を求めよ.

(2) 2n回目までのゲームで,Aの持ち点が0になる確率を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

確率 状態分類確率漸化式、余事象

方針

Aの持ち点だけを 0,1,2,3,4 の状態として見る。吸収されるのは 0 または 4 に到達したときで、初期状態 2 からは2回を1組にすると「AとBが1勝ずつなら状態2に戻る」「Aが連勝なら4」「Bが連勝なら0」という構造になる。この2回単位の戻りを使って、4回目の吸収確率と、2n 回目までにAが0になる確率を等比級数で求める。

解答

(1) q=1p とおく。最初の持ち点はAもBも2なので、どちらかの持ち点が0になるには、同じ人が初めから2連勝するか、途中で状態2に戻った後に2連勝する必要がある。

ちょうど4回目で初めてどちらかの持ち点が0になるには、最初の2回で吸収されてはいけない。したがって、最初の2回はAとBが1勝ずつでなければならない。この確率は pq+qp=2pq である。この時点で持ち点は再び (2,2) に戻る。続く3回目と4回目でどちらかが連勝すれば、4回目に初めて一方の持ち点が0になる。Aが連勝する確率は p2、Bが連勝する確率は q2 であるから、求める確率は 2pq(p2+q2) である。すなわち 2p(1p){p2+(1p)2} である。

(2)
Aの持ち点が0になるには、Aの持ち点が2から0まで2だけ減る必要があるので、起こる回数は偶数回である。2m 回目に初めてAの持ち点が0になる場合を考える。

初期状態 (2,2) から2回のゲームを見ると、AとBが1勝ずつなら持ち点は (2,2) に戻り、その確率は 2pq である。Bが2連勝すればAの持ち点は0になり、その確率は q2 である。Aが2連勝すればBの持ち点が0になるので、Aの持ち点が0になる場合には入らない。

したがって、2m 回目に初めてAの持ち点が0になる確率は、最初の m1 組では毎回状態 (2,2) に戻り、最後の1組でBが連勝する確率だから (2pq)m1q2 である。よって 2n 回目までにAの持ち点が0になる確率はm=1n(2pq)m1q2=q21(2pq)n12pqである。ここで 12pq=p2+q2>0 だから分母は0にならない。したがって (1p)2{1{2p(1p)}n}12p(1p) である。

別解

解法2

方針

2回を1段階とする確率漸化式を立てる。状態 (2,2) から2回以内に、Bの2連勝でAが吸収、1勝1敗で同じ状態へ帰還、Aの2連勝で失敗終了となる。この再帰を解いて 2n 回以内の確率を得る。

解答

(1)
ちょうど4回目でどちらかが0になるには、最初の2回で1勝1敗となって初期状態へ戻り、その次の2回でどちらかが連勝すればよい。従って2p(1p){p2+(1p)2}.(2)
q=1p と置き、Fn を「状態 (2,2) から始め、あと 2n 回以内にAの持ち点が0になる確率」とする。

最初の2回について、Bが2連勝する確率は q2 で、このとき成功する。1勝1敗なら確率 2pq で状態 (2,2) へ戻り、残り 2n2 回の問題になる。Aが2連勝すればBの持ち点が0になり、その後Aが0になることはない。従ってFn=q2+2pqFn1,F0=0.順に代入するとFn=q2{1+2pq+(2pq)2++(2pq)n1}.よってFn=q2{1(2pq)n}12pq=(1p)2[1{2p(1p)}n]12p(1p).

総評

初期点2の対称ランダムウォークは、2回後に未吸収なら必ず状態2へ戻る。これにより長い経路列挙が1本の等比級数または漸化式になる。「4回目」は最初の2回で吸収しない条件を含み、「2n 回目まで」はAが0になる吸収だけを数える。分母 12p(1p)=p2+(1p)2 は常に正である。

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出典: 名古屋大学 1999年度 前期 文系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。