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名古屋大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

N(N2)の箱の中に1回に1つずつ無作為に玉を入れてゆく.
玉が2つ入った箱ができたら,
そこでその手続きを中止する.
ちょうどk回目で玉が2つ入った箱ができる確率をP(N,k)とする.

(1) 2kN+1のとき,P(N,k)を求めよ.

(2) limN1NlogP(2N,N+1)
区分求積法を用いて求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

確率積分 数え上げ極限計算定積分評価

方針

ちょうど k 回目に初めて重複が起こるには、最初の k1 回はすべて異なる箱に入り、k 回目だけが既に使われた箱に入る必要がある。この積をそのまま確率にする。(2)では P(2N,N+1) を積の形に直し、対数を取って和に変換する。最後に j/N を変数とする区分求積へ移し、残る 1/N 倍の定数項が0に消えることを確認する。

解答

(1)
ちょうど k 回目で初めて玉が2つ入った箱ができるには、1 回目から k1 回目まではすべて異なる箱に入らなければならない。

1回目の入れ方は任意で確率 N/N、2回目は1回目と違う箱を選ぶので確率 (N1)/N、以下同様に、k1 回目はそれまでの k2 個と違う箱を選ぶので確率 (Nk+2)/N である。そのうえで、k 回目には既に玉が入っている k1 個の箱のどれかを選べばよいので、その確率は (k1)/N である。

したがって、2kN+1 のとき P(N,k)=N(N1)(Nk+2)(k1)Nk である。すなわち P(N,k)=(k1)N(N1)(Nk+2)Nk である。

(2)
(1)に N の代わりに 2Nk=N+1 を代入する。すると P(2N,N+1)=(2N)(2N1)(N+1)N(2N)N+1 である。よってP(2N,N+1)=121(112N)(1N12N)と書ける。対数を取り、N で割ると1NlogP(2N,N+1)=1Nj=0N1log(1j2N)+1Nlog12である。

第2項は 1Nlog120 である。第1項は、xj=j/N と見れば1Nj=0N1log(1xj2)であり、区分求積法により01log(1x2)dxに収束する。

この積分を計算する。u=1x/2 とおくと dx=2du で、x=0 のとき u=1x=1 のとき u=1/2 である。したがって01log(1x2)dx=21/21loguduである。部分積分またはlogudu=uloguuより21/21logudu=2[uloguu]1/21=2{1(12log212)}=log21 である。よって求める極限は log21 である。

別解

解法2

方針

P(2N,N+1) を、使われる箱の個数が 2N,2N1,,N+1 と減る積として書く。対数を取った後、j/N[1,2] を用いる別の区分求積へ移し、12log(x/2)dxを計算する。

解答

(1)
最初の k1 個が全て異なる箱へ入り、k 個目が使用済みの k1 箱のどれかへ入ればよい。従ってP(N,k)=(k1)N(N1)(Nk+2)Nk(2kN+1).(2)P(2N,N+1)=(2N)(2N1)(N+1)N(2N)N+1.対数を取り、j=N+1,,2N として並べ直すと1NlogP(2N,N+1)=1Nj=N+12Nlogj2N+1Nlog12.第2項は0へ収束する。第1項は、区間 [1,2] を幅 1/N で分けた区分求積だからlimN1Nj=N+12Nlogj/N2=12logx2dx.積分は12logx2dx=[xlogx2x]12=log21.従って求める極限はlog21である。

総評

最初の重複が起こる時刻なので、最初の k1 個は全て別箱、最後だけ既使用箱という順序が重要である。端点 k=2,N+1 でも式を照合した。後半は積を対数和へ変え、区間 [0,1][1,2] の2通りの区分求積で同じ log21 を得た。

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出典: 名古屋大学 1999年度 前期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。