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名古屋大学 1999年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

以下の問いに答えよ.ただし,mnNは正の整数である.

(1) 次式を証明せよ.0πsinmxsinnxdx={π2(m=n)0(mn)(2) 次式を証明せよ.0πxsinmxdx=(1)m+1πm(3) 領域0xπにおいて,曲線y=xa1sinxa2sin2xaNsinNxx軸で囲まれた領域をx軸周りに1回転してできる立体の体積を最小にする係数
a1,a2,,aNの値を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

積分三角関数 部分積分、定積分評価、計算整理

方針

(1) は積和公式で m=nmn を分けて積分する。(2)は部分積分で端点の cosmπ だけが残ることを示す。(3)では回転体の体積がπ0π()2dxであり、絶対値は二乗で消える。直交性により交差項が消えるので、各 am について独立に平方完成し、(2)で求めた係数を代入する。

解答

(1)
積和公式より 2sinmxsinnx=cos(mn)xcos(m+n)x である。

まず mn のとき、mnm+n も0でない整数である。したがって0πcos(mn)xdx=[sin(mn)xmn]0π=0であり、同様に0πcos(m+n)xdx=0である。よって0πsinmxsinnxdx=0である。

次に m=n のときは0πsin2mxdx=0π1cos2mx2dxである。cos2mx の積分は0なので0πsin2mxdx=π2である。以上より0πsinmxsinnxdx={π2(m=n),0(mn)である。

(2)
部分積分を用いる。u=x, dv=sinmxdx とすると、du=dx, v=cosmx/m だから0πxsinmxdx=[xcosmxm]0π+1m0πcosmxdxである。第2項は 1m[sinmxm]0π=0 である。したがって0πxsinmxdx=πcosmπm=(1)m+1πmである。よって0πxsinmxdx=(1)m+1πmである。

(3)
回転体の体積を V とする。半径は xa1sinxa2sin2xaNsinNx であるが、体積では半径の2乗を使うので絶対値は消える。したがってV=π0π(xm=1Namsinmx)2dxである。 V/π を展開すると0πx2dx2m=1Nam0πxsinmxdx+m=1Nn=1Naman0πsinmxsinnxdxである。(1)より mn の交差項は消え、m=n の項だけが残るのでVπ=0πx2dx2m=1Nam0πxsinmxdx+π2m=1Nam2である。

(2) を代入すると、am に関係する部分は π2am22am(1)m+1πm である。これは π2(am2(1)m+1m)2 に定数を加えた形である。したがって体積が最小になるのは、各 m=1,2,,N について am=2(1)m+1m のときである。

よって求める係数は am=2(1)m+1m(m=1,2,,N) である。

別解

解法2

方針

xsinx,,sinNx の直交分解として体積を捉える。最適係数を先に内積比で求め、任意の係数との差の2乗積分が非負であるというピタゴラス型恒等式を示して、同時に最小性と一意性を証明する。

解答

(1)
積和公式sinmxsinnx=12{cos(mn)xcos(m+n)x}を用いる。mn なら両余弦の積分は0である。m=n なら0πsin2mxdx=120π(1cos2mx)dx=π2.(2)
部分積分により0πxsinmxdx=[xcosmxm]0π+1m0πcosmxdx=(1)m+1πm.(3)
(1)(2)から、関数sinx,sin2x,,sinNxは区間 [0,π] で互いに直交し、それぞれの長さの2乗は π/2 である。また0πxsinmxdx=(1)m+1πm.最適候補をam=0πxsinmxdx0πsin2mxdx=2(1)m+1mと置く。任意の係数 am に対し0π(xm=1Namsinmx)2dx=0π(xm=1Namsinmx)2dx+0π(m=1N(amam)sinmx)2dx.交差項が0になるのは、am の定義により残差が各 sinmx と直交するからである。

最後の積分はπ2m=1N(amam)20であり、0になるのは全ての am=am のときだけである。回転体の体積はこの積分の π 倍なので、最小にする係数は一意にam=2(1)m+1m(m=1,2,,N)である。

総評

回転体の体積は絶対値の2乗積分であり、正弦関数の直交性によって各係数を独立に最適化できる。平方完成解法と直交射影解法の双方で am=2(1)m+1/m を得た。交差項が消える理由と、差の2乗が0になる場合を示すことで最小性と一意性が明確になる。

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出典: 名古屋大学 1999年度 後期 理系(後期) 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。