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名古屋大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

曲線C:y=xx1と,直線l:y=kxに関して,以下の問に答えよ.

(1) Clx>0で2つの交点を持つようなkの範囲を求めよ.

(2) kが(1)で求めた範囲を動くとき,
Clによって囲まれる図形全体の面積を最小にするkの値を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

微分積分図形と方程式 場合分け、面積計算微分による最大最小

方針

絶対値を含む曲線なので、まず区間を 0<x<1x1 に分け、直線 y=kx との交点がどの区間に現れるかを確認する。面積は原点から左側の交点までの小さい領域と、x=1 をまたぐ領域の和になるため、上下関係を区間ごとに固定して積分する。最後は S(k)0<k<1 上の1変数関数として微分し、候補値が範囲内にあることと最小であることを確認する。

解答

(1) x>0 で交点を調べるので、方程式 xx1=kxx で割ってよい。0<x<1 では x1=1x だから 1x=k,x=1k となる。この交点が実際に 0<x<1 にある条件は 0<1k<1 すなわち 0<k<1 である。

一方、x1 では x1=x1 だから x1=k,x=k+1 となる。この交点が x0 かつ x1 にある条件は k0 である。したがって、x>0 に2つの交点をもつには、前半の交点も後半の交点も現れ、しかも別々の位置にある必要がある。よって 0<k<1 である。

(2)
以下 0<k<1 とする。交点の x 座標は、原点を除くと 1k,1+k であり、曲線と直線は原点でも交わる。0<x<1k では x(1x)kx=x(1kx)>0 なので曲線が直線より上にある。したがって原点側の面積は01kx(1kx)dx=(1k)36である。

次に、1k<x<1+k の部分では直線が曲線より上にある。x=1+u とおくと、kuk であり、曲線は y=(1+u)u、直線は y=k(1+u) である。よってこの部分の面積はk0(1+u)(k+u)du+0k(1+u)(ku)duである。実際に計算するとk0(1+u)(k+u)du=k22k36,0k(1+u)(ku)du=k22+k36となるので、この部分の面積は k2 である。

したがって、囲まれる図形全体の面積を S(k) とすると S(k)=(1k)36+k2(0<k<1) である。微分して S(k)=(1k)22+2k となる。S(k)=0(1k)2=4k すなわち k26k+1=0 を与えるから k=3±22 である。このうち 0<k<1 を満たすのは k=322 だけである。また S(k)=3k>0(0<k<1) だから、この点で S(k) は最小になる。よって求める値は 322 である。

別解

解法2

方針

交点と面積は絶対値の左右で求めるが、最小値の判定では微分に頼らず、候補 k0=322 との差を因数分解する。差が (kk0)2 と正の因子の積になることから大域的最小を直接示す。

解答

(1)
x>0 では交点方程式を x で割ってx1=kとできる。0<x<1 では x=1kx1 では x=1+k である。前者が (0,1) に入り、後者と異なるための条件は0<k<1である。

(2)
原点側の領域は01kx(1kx)dx=(1k)36.2つの正の交点の間は x=1+u と置けばk0(1+u)(k+u)du+0k(1+u)(ku)du=k2.従って面積はS(k)=(1k)36+k2(0<k<1)である。

k0=322 と置く。直接展開するとS(k)S(k0)=(kk0)2(3+42k)6.0<k<1 では 3+42k>0 だから右辺は0以上で、等号は k=k0 のときだけ成り立つ。よって面積を最小にする値はk=322である。

総評

絶対値による2本の放物線部分と直線の上下関係を正しく分けることが核心である。原点を含む小領域と、2つの正の交点に挟まれた領域の両方を足す。微分解法と因数分解解法で同じ k=322 を得た。積分は全て独立行に置き、交点が存在する範囲 0<k<1 も最小値判定に含めた。

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出典: 名古屋大学 1999年度 前期 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。