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名古屋大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

この問題では,eは自然対数の底,logは自然対数を表す.

実数abに対して,直線l:y=ax+bは曲線C:y=log(x+1)と,
x座標が0xe1を満たす点で接しているとする.

(1) このときの点(a,b)の存在範囲を求め,ab平面上に図示せよ.

(2) 曲線Cおよび3つの直線lx=0x=e1で囲まれた図形の面積を最小にするabの値と,
このときの面積を求めよ.

難易度6/ 10計算量7/ 10目安25

微分積分指数・対数 接線・法線面積計算微分による最大最小

方針

接点の x 座標を ξs=ξ+1 とおく。接線の傾きは 1/s、切片は logs(s1)/s となり、1se から (a,b) の範囲が出る。面積は対数関数が上に凸ではなく上に凹であるため接線が曲線の上にあることを使い、接線と曲線の差を 0 から e1 まで積分する。得られた S(s) を微分して最小化する。

解答

(1)
接点の x 座標を ξ とし、s=ξ+1 とおく。条件 0ξe1 より 1se である。曲線 y=log(x+1) の導関数は y=1x+1 だから、接線の傾きは a=1s である。また接点は (s1,logs) なので logs=1s(s1)+b より b=logss1s である。 a=1/s から s=1/a である。したがって 1ea1 であり、b=log1a(1a)=loga1+a である。よって存在範囲は b=loga1+a,1ea1 で表される曲線の弧である。

(2)
接線は y=logs+x(s1)s である。logx 型の曲線は上に凹なので、接線は曲線の上側にある。したがって面積は S(s)=0e1{logs+x(s1)slog(x+1)}dx である。

まず 0e1log(x+1)dx=1elogudu=[uloguu]1e=1 である。また0e1{logs+x(s1)s}dx=(e1)logs+(e1)22s(s1)(e1)sである。よって S(s)=(e1)logs+(e1){e+12s1}1 である。

微分するとS(s)=e1s(e1)(e+1)2s2=e1s2(se+12)である。1se において、S(s)s=(e+1)/2 で最小となる。したがって s=e+12 であり、a=2e+1,b=loge+12e1e+1 である。

このとき (e+1)/(2s)1=0 なので、最小面積は Smin=(e1)loge+121 である。

別解

解法2(接線の平均値で最小化する)

方針

接点を s=ξ+1 で表す。接線と曲線の面積差では、
接線部分の積分を「区間長×中点での接線値」として一度に計算する。
結果は logs+(e+1)/(2s) の最小化に帰着する。

解答

(1)
接点を (s1,logs) とすれば 1se であり、接線はy=logs+xs+1s.したがってa=1s,b=logss1s.s=1/a を代入してb=loga1+a,1ea1.(2)
log(x+1) は上に凹なので、接線は曲線以上にある。
接線は一次関数だから、その 0xe1 における積分は
区間長と中点 x=(e1)/2 での値の積に等しい。よって面積はS(s)=(e1){logs+(e1)/2s+1s}0e1log(x+1)dx=(e1){logs+e+12s1}1.ここでS(s)=e1s2(se+12).よって s=(e+1)/2 で最小となり、a=2e+1,b=loge+12e1e+1,Smin=(e1)loge+121.

総評

難度6、計算量7。対数曲線は上に凹なので接線が常に上側にある。接点範囲、接線積分、定積分、内部停留点を順に確認し、積分の平均値表示でも最小値を独立に再現した。 2つの解法は着眼点を分け、必要性・十分性、端点、等号条件を省略せず記述した。

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出典: 名古屋大学 2000年度 前期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。