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名古屋大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

abを実数とする.
xy平面上で,直線l:y=ax+bは曲線C:y=(x+1)(2x)と,
x座標が0x2を満たす点で接しているとする.

(1) このときの点(a,b)の存在範囲を求め,ab平面上に図示せよ.

(2) 曲線Cおよび3つの直線lx=0x=2で囲まれた図形の面積を最小にするabの値と,
このときの面積を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

微分積分図形と方程式 接線・法線面積計算微分による最大最小

方針

接点の x 座標を ξ とおいて、接線の傾きと切片を ξ で表す。0ξ2 がそのまま (a,b) の存在範囲を決める。面積は、放物線とその接線の差が完全平方 (xξ)2 になることを使えば、積分を短く正確に処理できる。最後は 02(xξ)2dxξ で最小化し、接線の a,b へ戻す。

解答

(1)
曲線 Cy=(x+1)(2x)=x2+x+2 である。接点の x 座標を ξ とする。ただし問題の条件より 0ξ2 である。曲線の導関数は y=2x+1 だから、接線の傾きは a=12ξ である。また接点は (ξ,ξ2+ξ+2) なので、接線 y=ax+b に代入して ξ2+ξ+2=(12ξ)ξ+b より b=ξ2+2 を得る。

したがって a=12ξ,b=ξ2+2(0ξ2) である。ξ=(1a)/2 を代入すれば b=(1a)24+2 であり、0ξ2 から 3a1 である。よって ab 平面上の存在範囲は b=(1a)24+2,3a1 で表される放物線の弧である。

(2)
接線と曲線の差を計算する。上の a,b を用いると l(x)C(x)={(12ξ)x+ξ2+2}(x2+x+2) である。整理して l(x)C(x)=x22ξx+ξ2=(xξ)2 となる。これは常に 0 以上であるから、囲まれた図形の面積は S(ξ)=02(xξ)2dx である。

積分するとS(ξ)=[x33ξx2+ξ2x]02=834ξ+2ξ2である。平方完成すると S(ξ)=2(ξ1)2+23 である。0ξ2 なので、最小値は ξ=1 で取られ、その値は 23 である。このとき a=12ξ=1,b=ξ2+2=3 である。

別解

解法2(判別式と平方距離の分解)

方針

直線と放物線の共有点方程式が重解をもつ条件から
(a,b) の軌跡を直接求める。面積は
(xξ)2=(x1)2+2(x1)(1ξ)+(1ξ)2
と展開し、交差項の積分が0になることを使う。

解答

(1)
共有点の x 座標はx2+x+2=ax+bすなわちx2+(a1)x+(b2)=0を満たす。接するための必要十分条件は判別式が0であることだから(a1)24(b2)=0.よってb=(1a)24+2.重解はξ=1a2である。0ξ2 より3a1.したがって求める範囲は、上の放物線の
3a1 に対応する弧である。

(2)
接線と曲線の差は (xξ)2 なのでS(ξ)=02(xξ)2dx.ここでxξ=(x1)+(1ξ)と分けるとS(ξ)=02(x1)2dx+2(1ξ)02(x1)dx+2(1ξ)2=23+2(1ξ)2.よって ξ=1 で最小となり、a=1,b=3,Smin=23.

総評

難度5、計算量5。接点を媒介変数にする方法と判別式の方法を併記し、存在範囲が領域ではなく放物線の弧であることを明示した。面積は完全平方と区間中心による分解の両方で最小値と等号条件を確認した。 2つの解法は着眼点を分け、必要性・十分性、端点、等号条件を省略せず記述した。

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出典: 名古屋大学 2000年度 前期 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。