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名古屋大学 2001年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

abcは定数とし,a>0とする.

(1) 曲線y=ax3+bx+cの接線で点(0,t)tは実数)を通るものがただ一本存在することを示せ.

(2) (1)の接線が正の傾きを持つためのtの範囲を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安16

微分関数 接線・法線判別式、範囲評価

方針

接点の x 座標を s と置き、接線の y 切片を s の関数として表す。点 (0,t) を通る条件は t=F(s)sF(s)=2as3+c となり、a>0 から s が一意に決まる。接線の傾きは F(s)=b3as2 なので、傾きが正になる s の範囲を求め、単調な対応 t=2as3+ct の範囲に移す。

解答

(1)

曲線を F(x)=ax3+bx+c とおく。接点の x 座標を s とすると、接点は (s,F(s)) であり、接線の方程式は y=F(s)(xs)+F(s) である。

この接線が点 (0,t) を通る条件は、x=0,y=t を代入して t=F(s)sF(s) である。ここで F(s)=3as2+b だからF(s)sF(s)=(as3+bs+c)s(3as2+b)=2as3+c.したがって接線が (0,t) を通る条件は t=2as3+c である。 a>0 なので関数 2as3+cs について狭義単調増加であり、実数全体を値域にもつ。よって任意の実数 t に対して、これを満たす実数 s はただ1つ存在する。接点 s が一意に定まるので、接線もただ一本存在する。

(2)

接線の傾きは F(s)=b3as2 である。これが正であるための条件は b3as2>0 である。

もし b0 なら、a>0 より b3as20 であるから、正の傾きをもつ接線は存在しない。したがって、この場合に該当する t はない。

以下 b>0 とする。このとき s2<b3a すなわち b3a<s<b3a である。t=2as3+cs について狭義単調増加なので、t の範囲は端の値を代入してc2a(b3a)3/2<t<c+2a(b3a)3/2である。これを整理するとc2b3b3a<t<c+2b3b3aである。

以上より、b0 のときは該当する t はなく、b>0 のときは上の開区間が求める範囲である。

別解

解法2(接点を立方根で直接表す)

方針

(0,t) を通る条件から接点 s
t の立方根として明示する。
その式を傾き b3as2 に直接代入し、正となる条件を解く。

解答

(1)

接点を (s,as3+bs+c) とすると、接線の y 切片はas3+bs+cs(3as2+b)=2as3+cである。したがって点 (0,t) を通る条件は2as3+c=t.a>0 だからs=tc2a3とただ1通りに定まり、対応する接線もただ1本である。

(2)

この接線の傾きが正である条件はb3as2>0.b0 なら左辺は正にならないので、該当する t はない。
b>0 のときはtc2a3<b3a.両辺は非負なので3乗してtc<2a(b3a)3/2=2b3b3a.よって求める範囲はc2b3b3a<t<c+2b3b3aである。

総評

難度5、計算量5。接線を点 (0,t) から引く問題だが、接点 s でパラメータ表示すると一意性も傾きの条件も同時に処理できる。採点上は、t=F(s)sF(s)=2as3+c の導出と、この関数が狭義単調増加であることを明記するのが要点である。(2)では b0 の場合を落とさず、b>0 のときだけ端点を含まない開区間で答える。目安は16分程度。 2つの解法は標準的な答案手順と、別の構造から検算できる経路に分けた。必要性と十分性、場合分け、等号条件を明示し、積分・総和・極限と主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。

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出典: 名古屋大学 2001年度 前期 数学 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。