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名古屋大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

曲線C:y=x3上を動く点P(t,t3)(ただし,t0)がある.
PにおけるCの接線とCとのもう1つの交点をQとし,
QにおけるCの接線とCとのもう1つの交点をRとする.
このとき,cosPQRのとりうる値の範囲を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

微分図形と方程式 接線・法線、式変形、範囲評価

方針

三次曲線 y=x3 の接線と曲線のもう1つの交点は、接点が重解になることを使って因数分解で求める。点 Q が分かれば、QPP における接線方向、QRQ における接線方向なので、それぞれの傾きは 3t2, 12t2 になる。角の正接を u=t2>0 の式にし、その最大値から余弦の範囲を決める。

解答

P(t,t3) における C:y=x3 の接線を求める。導関数は y=3x2 だから、接線の方程式は yt3=3t2(xt) すなわち y=3t2x2t3 である。これと y=x3 の交点は x3=3t2x2t3 を満たす。左辺に移して因数分解すると x33t2x+2t3=(xt)2(x+2t) である。接点 x=t は重解であり、もう1つの交点は Q=(2t,8t3) である。

同様に、点 Qx 座標は 2t なので、Q における接線の傾きは 3(2t)2=12t2 である。実際にもう1つの交点を求めると R=(4t,64t3) となる。

したがって QP=PQ=3t(1,3t2), QR=RQ=6t(1,12t2) である。t0 なので u=t2>0 とおくと、なす角 θ=PQR について cosθ=1+36u21+9u21+144u2 である。

範囲を出すには、2直線の傾き 3u, 12u のなす角を使う。u>0 ではどちらの傾きも正で、12u>3u だから tanθ=12u3u1+3u12u=9u1+36u2 である。この関数を T(u) とおくとT(u)=9(1+36u2)9u72u(1+36u2)2=9(136u2)(1+36u2)2である。よって T(u)0<u<1/6 で増加し、u>1/6 で減少する。最大値は T(16)=9/61+1=34 である。 0<θ<π/2 なので、tanθ が最大のとき cosθ は最小になる。したがって cosθ11+(34)2=45 である。等号は u=1/6、すなわち t2=1/6 のときに成り立つ。また u0 または u のとき tanθ0 だから cosθ1 であるが、u>0 では2本の接線の傾きが異なるので cosθ=1 にはならない。よって求める範囲は 45cosPQR<1 である。

別解

解法2

方針

交点と2本の接線方向を求めるところまでは同じだが、余弦の2乗を v=36t4 の有理式にする。目標値 16/25 との差が 9(v1)2 に因数分解できるため、微分を使わずに下端と等号条件を決める。

解答

P(t,t3) の接線と曲線とのもう1つの交点はQ=(2t,8t3)であり、さらにR=(4t,64t3)である。従ってQP=3t(1,3t2),QR=6t(1,12t2).u=t2>0 と置けばcos2PQR=(1+36u2)2(1+9u2)(1+144u2).さらに v=36u2>0 と置くとcos2PQR=(1+v)2(1+v/4)(1+4v).ここで25(1+v)216(1+v/4)(1+4v)=9(v1)20.従ってcos2PQR1625.角は鋭角なのでcosPQR45.等号は v=1、すなわち 36t4=1t2=1/6 のときに成り立つ。

一方、分母から分子を引くと(1+v/4)(1+4v)(1+v)2=94v>0だから、有限の t0 では余弦は1より小さい。よって範囲は45cosPQR<1.

総評

三次曲線の接線は接点を重解に持つため、もう1つの交点を因数分解で求められる。角は2本の接線方向の差であり、t<0 でも両方向ベクトルの共通符号が消える。微分解法と平方差の因数分解解法で下端 4/5 を確認した。上端1は t0 または無限大で近づくだけで取らない。

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出典: 名古屋大学 1999年度 前期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。