方針
F(x)=log(logx) とおくと、示すべき不等式は F(q)−F(p)<(q−p)/e である。平均値の定理を用いて差を F′(ξ)(q−p) と表し、ξ>e から ξlogξ>e を示す。これにより F′(ξ)<1/e となり、目的の評価が従う。
解答
F(x)=log(logx) とおく。e≦p<q なので、区間 [p,q] 上で F は微分可能であり、平均値の定理を用いることができる。したがって、ある実数 ξ が p<ξ<q を満たして存在し、F(q)−F(p)=F′(ξ)(q−p) となる。
ここで F′(x)=xlogx1 である。また p≧e かつ p<ξ より ξ>e である。したがって logξ>1 であり、ξlogξ>e が成り立つ。よって F′(ξ)=ξlogξ1<e1 である。
以上から log(logq)−log(logp)=F(q)−F(p)=F′(ξ)(q−p)<eq−p となり、求める不等式が示された。
別解
解法2(導関数を積分して評価する)
方針
差を
log(logx) の導関数の定積分として表す。
被積分関数が区間内で 1/e より真に小さいことを用いる。
解答
微積分の基本定理からlog(logq)−log(logp)=∫pqxlogxdx.p≧e であり、x>e ならxlogx>e,xlogx1<e1.p=e の場合でも等号が起こり得るのは端点 x=e だけであり、
長さをもつ区間 (p,q) では被積分関数は 1/e より真に小さい。
したがって∫pqxlogxdx<∫pqe1dx=eq−p.これが求める不等式である。
総評
難度4、計算量3。平均値の定理を使う典型的な評価問題である。採点上は、F′(x)=1/(xlogx) を出した後、平均値の定理で得られる ξ が p<ξ<q を満たし、特に ξ>e であることを使って厳密な不等号にする点が重要である。p=e の端点を含むため、単に最大値が 1/e と書くだけでは厳密性が弱い。目安は10分程度。 2つの解法は標準的な答案手順と、別の構造から検算できる経路に分けた。必要性と十分性、場合分け、等号条件を明示し、積分・総和・極限と主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。
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出典: 名古屋大学 2001年度 前期 数学 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。