方針
絶対値の中身は、x が積分区間 [0,π] の中にあるか外にあるかで外れ方が変わる。0≦x≦π では積分を [0,x] と [x,π] に分け、π≦x≦2π では常に ∣t−x∣=x−t とする。得られた式 2(1+sinx) と −2cos(x+π/4) を各区間で評価し、全体の最大・最小を比較する。
解答
まず 0≦x≦π の場合を考える。このとき、0≦t≦x では ∣t−x∣=x−t、x≦t≦π では ∣t−x∣=t−x である。したがってf(x)=∫0xsin(x−t+4π)dt+∫xπsin(t−x+4π)dt.第1項は∫0xsin(x−t+4π)dt=[−cosu]u=π/4x+π/4=22−cos(x+4π)であり、第2項は∫xπsin(t−x+4π)dt=22−cos(π−x+4π)である。よってf(x)=2−cos(x+4π)−cos(45π−x)である。和積公式を用いるとcos(x+4π)+cos(45π−x)=−2sinxなので f(x)=2(1+sinx)(0≦x≦π) である。
次に π≦x≦2π の場合を考える。このとき 0≦t≦π≦x だから ∣t−x∣=x−t であり、f(x)=∫0πsin(x−t+4π)dt=cos(x−43π)−cos(x+4π)=−2cos(x+4π)である。
したがってf(x)=⎩⎨⎧2(1+sinx)−2cos(x+4π)(0≦x≦π),(π≦x≦2π)である。 0≦x≦π では 0≦sinx≦1 だから 2≦f(x)≦22 であり、最大値 22 は x=2π でとる。 π≦x≦2π では x+π/4 は [5π/4,9π/4] を動く。この範囲で cos(x+π/4) の最大値は1で、これは x+4π=2π すなわち x=47π で起こる。よって −2cos(x+π/4) の最小値は −2 である。一方、この区間での最大値は 2 以下なので、全体の最大値は前半で得た 22 である。
以上より、最大値は 22(x=2π) であり、最小値は −2(x=47π) である。
別解
解法2(積分区間の長さへ置換する)
方針
絶対値を外した後、各積分を∫0usin(v+π/4)dvの形にそろえる。
端点だけで表した式から最大・最小を読む。
解答
まず 0≦x≦π とする。
前半では u=x−t、後半では u=t−x と置けばf(x)=∫0xsin(u+4π)du+∫0π−xsin(u+4π)du.したがってf(x)=2−cos(x+4π)−cos(45π−x)=2(1+sinx).この区間では2≦f(x)≦22,最大値 22 は x=π/2 でとる。
次に π≦x≦2π では u=x−t と置いてf(x)=∫x−πxsin(u+4π)du=−2cos(x+4π).x+π/4 は [5π/4,9π/4] を動くので、
この区間の最小値は−2(x=47π)であり、最大値は 2 である。
両区間を比較すると、全体の最大値は22(x=2π),最小値は−2(x=47π)である。
総評
難度5、計算量5。絶対値を外す区間分割がすべてで、x が積分区間内にある 0≦x≦π と、外にある π≦x≦2π を分ける。採点上は、後半の −2cos(x+π/4) の範囲評価で、x=7π/4 に最小値 −2 が出る点を落とさないことが重要である。端点 x=2π の値 −2 は最小ではない。目安は16分程度。 2つの解法は標準的な答案手順と、別の構造から検算できる経路に分けた。必要性と十分性、場合分け、等号条件を明示し、積分・総和・極限と主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。
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出典: 名古屋大学 2001年度 前期 数学 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。