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名古屋大学 2004年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

f(x)=x3+ax2+bx+cabcは実数の定数)とし,
方程式f(x)=0の3つの解をαβγとする.
以下の2つの条件が成り立つものとする.

(i) 曲線y=f(x)上の点(3,f(3))における接線の方程式はy=3x16であり,
また,曲線y=f(x)とこの接線とはx<3の範囲で交わる.

(ii) 複素数平面上の3点A(α)B(β)C(γ)を頂点とする
ABCは正三角形である.

このとき,つぎの各問に答えよ.

(1) abcの値を求めよ.

(2) 複素数平面上で,ABCと,2z2=d(z+z)(dは実数の定数,zzと共役な複素数)を満たす点zの全体が表す図形とが共有点を持つようなdの範囲を求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30

複素数平面図形と方程式微分 接線・法線、解と係数の関係、軌跡

方針

接線条件から、f(x)(3x16)x=3 を重解にもつので (x3)2(xr) と置く。さらに x<3 で接線ともう一度交わる条件から r<3 である。3つの根が複素数平面で正三角形を作る条件は、重心を原点に移したとき3根が ρ,ρω,ρω2 型になることから、平行移動後の三次式の一次の係数が0になること、すなわち b=a23 と表せる。(2)は三角形上で d=x2+y2x の範囲を求める。

解答

(1)

接線が y=3x16 であるから、x=3f(3)=3316=7 かつ f(3)=3 である。したがって f(x)(3x16)x=3 を重解にもつ。よって f(x)(3x16)=(x3)2(xr) とおける。さらに、曲線と接線が x<3 の範囲で交わるので、もう1つの交点は x=r であり、r<3 である。

右辺を展開すると (x3)2(xr)=x3(r+6)x2+(6r+9)x9r である。したがって f(x)=x3(r+6)x2+(6r+12)x9r16 であり、a=r6,b=6r+12,c=9r16 である。

次に、3つの根が正三角形を作る条件を用いる。一般に、モニック三次式 x3+ax2+bx+c の根の重心は a3 である。x=Xa3 と平行移動して重心を原点に移すと、X2 の項は消え、X の係数は ba23 となる。3つの根が正三角形を作るとき、重心を原点に移した3つの根は ρ,ρω,ρω2 の形に書けるので、平行移動後の三次式には X の項がない。したがって b=a23 である。

ここに a=r6, b=6r+12 を代入すると 6r+12=(r+6)23 である。両辺を整理して r(r6)=0 を得る。r<3 だから r=0 である。よって a=6,b=12,c=16 である。

(2)

(1) より f(x)=x36x2+12x16=(x4)(x22x+4) である。したがって3つの根は 4,1+3i,13i である。よって三角形 ABC の頂点は (4,0),(1,3),(1,3) である。 z=x+yi とおくと、2z2=d(z+z)2(x2+y2)=2dx すなわち x2+y2=dx である。三角形 ABC 上では x>0 なので、共有点をもつための dd=x2+y2x が三角形上の点で取り得る値である。

三角形の内部および周上の点は 1x4,y4x3 を満たす。したがって d=x+y2xx1 である。一方、y4x3 より dx+(4x)23x である。右辺について x+(4x)23x4(x1)(x4)0 と同値であり、1x4 で成り立つ。よって 1d4 である。

実際、d=1 は点 (1,0) で、d=4 は頂点 (4,0) などで達成される。したがって求める範囲は 1d4 である。

別解

解法2(円族の値域)

方針

接線条件と正三角形条件から三角形の3頂点を決める。(2)では各dに対する図形を円として眺め、d=x2+y2xの必要範囲を評価する。十分性は三角形の縦の辺だけで全範囲が実現することから示す。

解答

(1)

接線との共有点を用いるとf(x)(3x16)=(x3)2(xr),r<3.係数を比較してa=r6,b=6r+12,c=9r16.3根の重心へ原点を移したとき、正三角形の3頂点は120度ずつ回転した配置になる。
したがって平行移動後の三次式の一次係数は0でありb=a23.これを代入するとr(r6)=0である。r<3よりr=0だから(a,b,c)=(6,12,16).このときf(x)=(x4)(x22x+4)で、3頂点は(4,0),(1,3),(1,3)となり、確かに正三角形である。

(2)

z=x+yiとすると、与えられた図形はx2+y2=dxである。三角形上ではx>0なのでd=x2+y2x.三角形の点は1x4,y4x3を満たす。したがって1x+y2xx+(4x)23x4.よって必要条件は1d4である。

逆に辺x=13y3だけを見るとd=1+y2は1から4までの全値をとる。ゆえに十分性も成り立ち1d4である。

総評

難度7、計算量7。目安時間は28〜35分。前半は接線条件を (x3)2 因子として処理するのが自然で、x<3 でさらに交わる条件から r<3 を忘れずに使う。正三角形条件は、根の重心へ平行移動したときの3根が120度ずつ回転した配置になることから、平行移動後の一次の係数が消える、と捉えると整理しやすい。(2)は円 x2+y2=dx と三角形の共有条件を、三角形上での x2+y2x の値域問題に直す。三角形の辺を不等式で表し、下限1と上限4が実際に達成されることまで確認したい。

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出典: 名古屋大学 2004年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。