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名古屋大学 2004年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

iを虚数単位とする.

z1=3および,漸化式zn+1=(1+i)zn+i (n1)によって定まる複素数からなる数列{zn}について,
以下の問いに答えよ.

(1) znを求めよ.

(2) すべての正の整数mについて,z8m7=24m21となることを示せ.

(3) 複素数znが表す複素数平面の点をPnとする.
PnPn+1Pn+2を3頂点とする三角形の面積を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

複素数平面数列 漸化式の変形回転・拡大面積計算

方針

一次漸化式の固定点を見つけて、zn+1 を等比数列に直す。1+i は大きさ 2、偏角 π4 の複素数なので、8乗すると実数 16 になる。(2)は指数 8m8 が8の倍数になることを使う。(3)は隣り合う点の差 zn+1zn を求め、次の辺がそれを 1+i 倍したものになることから、辺の長さと挟角 π4 で三角形の面積を計算する。

解答

(1)

漸化式 zn+1=(1+i)zn+i の固定点を求める。z=(1+i)z+i を解くと iz=i より z=1 である。したがって両辺に1を加えると zn+1+1=(1+i)(zn+1) となる。 z1=3 だから z1+1=4 である。よって zn+1 は初項4、公比 1+i の等比数列であり、zn+1=4(1+i)n1 である。したがって zn=4(1+i)n11 である。

(2) n=8m7 とすると n1=8m8=8(m1) である。また (1+i)2=2i,(1+i)4=4,(1+i)8=16 である。したがってz8m7=4(1+i)8m81=4{(1+i)8}m11=416m11=24m21である。これは実数であり、求める式が示された。

(3)

(1) より zn+1zn=4(1+i)n4(1+i)n1=4i(1+i)n1 である。また zn+2zn+1=4i(1+i)n=(1+i)(zn+1zn) である。したがって、辺 PnPn+1 を表す複素数に 1+i を掛けると、辺 Pn+1Pn+2 を表す複素数になる。 1+i は大きさ 2、偏角 π4 の複素数であるから、2つの辺のなす角は π4 である。また zn+1zn=41+in1=4(2)n1 であり、zn+2zn+1=41+in=4(2)n である。よって三角形 PnPn+1Pn+2 の面積は 124(2)n14(2)nsinπ4 である。sin(π4)=22 だから、これは 2n+2 である。

別解

解法2(複素数の行列式)

方針

(1) (2)は固定点を用いて処理する。(3)では2辺の長さと角度を別々に求めず、複素数u,vが張る三角形の面積12Im(uv)を使う。

解答

(1) zn+1+1=(1+i)(zn+1),z1+1=4よりzn=4(1+i)n11.(2)

したがってz8m7=4(1+i)8(m1)1=416m11=24m21.(3)u=zn+1zn=4i(1+i)n1とおく。するとzn+2zn+1=(1+i)uであるから、Pnから出るもう1本の辺はv=zn+2zn=u+(1+i)u=(2+i)uで表される。よって三角形の面積SnSn=12Im(uv)=12Im{(2+i)u2}=12u2.またu2=161+i2n2=162n1なのでSn=2n+2.

総評

難度5、計算量5。目安時間は18〜24分。漸化式は非同次に見えるが、固定点 1 を引くと等比数列になる。ここを見落として直接展開すると処理が長くなる。(2)は (1+i)8=16 によって、8項ごとに正の実数倍になることを使うだけでよい。(3)では、隣り合う差が毎回 1+i 倍されるため、図形的には辺が 45 回転しながら 2 倍される。面積公式に入れる前に、2辺の長さと挟角を明示しておくと採点上も読みやすい。

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出典: 名古屋大学 2004年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。