方針
が方程式 の解であることから、 を使う。列ベクトル に行列を掛けると になることを直接計算で示せば、毎回足されるベクトルが同じ方向のまま 倍されていく。したがって は等比数列の和で表される。収束条件は が収束する条件、すなわち である。
解答
(1) は方程式 の解なので である。ここでとおく。するとである。第1成分は であり、第2成分はである。したがってである。 の位置ベクトルは であるから、である。よって である。さらにだから である。
(2)
(1)の計算より、 が成り立つ。点 の位置ベクトルを とすると、漸化式は である。したがって であり、 である。
よってである。 のときは とも書ける。
(3) なので、 が収束するためには が収束することが必要十分である。ここで は公比 の等比数列の部分和である。 のとき、 だから であり、 は収束する。
一方、 のときは である。 なら となって発散し、 なら項が大きくなって部分和も発散する。したがって収束しない。
よって収束の必要十分条件は であり、このとき収束先は である。
別解
解法2(成分表示を帰納法で確かめる)
方針
行列の固有ベクトルという言葉を使わず、 と予想して漸化式へ代入する。 の等比和だけを追えばよい。
解答
(1)
である。漸化式へ を代入するとさらに直接計算して(2)とおき、 を示す。 では明らかである。 と仮定すると、第1成分は第2成分はよって帰納法によりである。
(3)
は公比 の等比数列の部分和である。したがって収束の必要十分条件はこのときゆえにへ収束する。
総評
行列漸化式を、根の関係 によって等比数列の和へ変形する問題である。目安時間は18〜22分。抽象的な言葉を使わなくても、 を直接計算すれば十分である。以後は毎回同じ方向のベクトルが 倍されて加わる。収束条件では の場合を落とさず、 だけが必要十分であることを明示したい。