方針
極値をもつ条件は、導関数 f′(x) が異なる2つの実数解をもつことに等しいので、判別式で a の範囲を決める。極大点 p、極小点 q は導関数の2根であり、p<q とすると f′(x)=3(x−p)(x−q) と書ける。直線 PQ の傾きは q−pf(q)−f(p) であり、これは f′ の積分を q−p で割れば求まる。最後に導関数の2根の差を判別式から表して a だけの式にする。
解答
(1) f′(x)=3x2+2ax+3a−6 である。3次関数 f(x) が極値をもつためには、f′(x)=0 が異なる2つの実数解をもてばよい。したがって判別式が正である条件を考える。 (2a)2−4⋅3(3a−6)>0 より 4a2−36a+72>0 すなわち 4(a−3)(a−6)>0 である。よって a<3または6<a である。
(2)
(1) の範囲で、f′(x)=0 の2根を p<q とする。3次関数の最高次係数は正なので、x=p で極大値、x=q で極小値をとる。このとき f′(x)=3(x−p)(x−q) である。
直線 PQ の傾き m は m=q−pf(q)−f(p) である。分子は導関数の積分で表せるので、f(q)−f(p)=∫pqf′(x)dx=∫pq3(x−p)(x−q)dxである。ここで h=q−p、x=p+t とおくと、0≦t≦h で (x−p)(x−q)=t(t−h) だから、f(q)−f(p)=3∫0ht(t−h)dt=3(3h3−2h3)=−2h3.したがって m=q−pf(q)−f(p)=−21h2 である。
一方、f′(x)=3x2+2ax+3a−6 の2根の差はq−p=3(2a)2−4⋅3(3a−6)=32(a−3)(a−6)である。よってm=−21{32(a−3)(a−6)}2=−92(a−3)(a−6)である。
別解
解法2(解と係数の関係)
方針
極値条件は解法1と同様に判別式で決める。傾きは積分を使わず、差の商を因数分解し、導関数の2根p,qの和と積だけで整理する。
解答
(1) f′(x)=3x2+2ax+3a−6が異なる2実根をもつ条件は(2a)2−12(3a−6)=4(a−3)(a−6)>0.したがってa<3またはa>6.(2)
f′(x)=0の2根をp<qとする。解と係数の関係よりp+q=−32a,pq=a−2.直線PQの傾きはm=q−pf(q)−f(p)=p2+pq+q2+a(p+q)+3a−6.ここでp2+pq+q2=(p+q)2−pq=94a2−a+2だからm=(94a2−a+2)−32a2+3a−6=−92(a2−9a+18)=−92(a−3)(a−6).
総評
難度5、計算量4。目安時間は15〜20分。前半は導関数の判別式だけで済むが、後半は極大点・極小点の座標を直接求めようとすると式が重くなる。f′(x)=3(x−p)(x−q) と置き、f(q)−f(p) を積分で処理すると、傾きが −21(q−p)2 に一気に簡約される。注意点は、極値をもつ条件では判別式が正であり、等号を含めないこと、また (a−3)(a−6)>0 の範囲を外側 a<3,6<a と読むことである。
冊子PDFで見る名大の微分の問題で問題集を作る
出典: 名古屋大学 2004年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。