方針
文系第1問と同じ型で,交点の x 座標の差,平行線間の距離,平行線が放物線から切り取る弦の長さを順に求める。傾きが2なので,弦の実長には 5,2直線 y=2x,y=2x+t の距離には 51 が出るが,台形面積では相殺される。直線 y=2x+t との交点の x 座標差を d=16−4t と置き,S(t)=2t(4+d) を d の関数に直して最大化する。
解答
(1)
直線 l:y=2x と放物線 R:y=−x2+3 の交点の x 座標は −x2+3=2x すなわち x2+2x−3=0 の解である。したがって x=−3,x=1 である。この区間では放物線が直線の上にあるのでT=∫−31{(−x2+3)−2x}dx=∫−31(−x2−2x+3)dx=[−3x3−x2+3x]−31=332である。
(2)
直線 y=2x+t と放物線 R の交点の x 座標は −x2+3=2x+t すなわち x2+2x+(t−3)=0 の2解である。相異なる2点で交わる条件は 16−4t>0 だから 0<t<4 である。
この2解の差を d とおくと d=16−4t である。直線の傾きが2なので,x 座標の差が d のとき,弦 CD の長さは CD=5d である。また AB の x 座標の差は 1−(−3)=4 だから AB=45 である。2直線 y=2x と y=2x+t の距離は 5t である。
したがって台形の面積はS(t)=21(AB+CD)⋅5t=21(45+5d)⋅5t=2t(4+d)である。
ここで d=16−4t より t=416−d2 であり,0<t<4 は 0<d<4 に対応する。よって S(t)=816−d2(4+d)=8(4−d)(4+d)2 である。これを d で微分するとdddS=81{−(4+d)2+2(4−d)(4+d)}=81(4+d)(4−3d)である。0<d<4 では 4+d>0 なので,最大となるのは d=34 のときである。このときSmax=81(4−34)(4+34)2=27512である。したがって f(t)max=TSmax=33227512=916 である。
別解
解法2(変数tのまま微分)
方針
台形の底辺となる2弦の長さを求め、面積を t の式にする。根号を含む S(t) を直接微分し、正の根だけを残して最大値を求める。
解答
(1)
交点の x 座標は −3,1 であるからT=∫−31(−x2−2x+3)dx=332.(2)
y=2x+t が放物線から切り取る弦の x 座標差を d とするとd=16−4t,0<t<4.弦の実長には 5、平行線間距離には 51 が掛かるのでS(t)=2t(4+16−4t).微分してS′(t)=24+16−4t−16−4tt.u=16−4t>0 とおくと、停留条件はu(4+u)=2t=216−u2,すなわち3u2+8u−16=0.正の解は u=34 である。ここで S′(t) は正から負へ変わるからSmax=27512.よってmaxf(t)=27512⋅323=916.
総評
難度5、計算量5。文系第1問と同じ構造の放物線・平行線の面積比問題で、目安は18分程度である。傾きが2に変わるため、弦の長さと平行線間距離に 5 が現れるが、台形面積では相殺される。この相殺を説明せずに S(t)=2t(4+d) へ飛ぶと根拠が薄くなる。最大化は d=16−4t と置くと、0<d<4 の開区間で内点最大を確認しやすい。端点は相異なる2点で交わる条件から含まれないことも意識したい。
冊子PDFで見る名大の微分の問題で問題集を作る
出典: 名古屋大学 2005年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。