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名古屋大学 2005年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

放物線R:y=x2+6と直線l:y=xとの交点をABとする.
直線y=x+t (t>0)は放物線Rと相異なる2点C(t)D(t)で交わるものとする.

(1) 放物線Rと直線lとで囲まれた図形の面積Tを求めよ.

(2) 4つの点ABC(t)D(t)を頂点とする台形の面積をS(t)とし,f(t)=S(t)Tとおく.
f(t)の最大値を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安18

微分積分図形と方程式 面積計算微分による最大最小、計算整理

方針

まず直線 y=x と放物線の交点を求め,囲まれた面積 T は上下差 x2+6x の積分で出す。(2)では,直線 y=xy=x+t が平行であることを使い,台形の高さを2直線間の距離,底辺をそれぞれ放物線で切り取られる弦の長さとして表す。弦の実長は,交点の x 座標の差に 2 を掛けたもの,高さは t2 なので,2 が消えて S(t)=t(5+d)2 となる。最後は d=254t を新しい変数にして1変数関数を最大化する。

解答

(1)

直線 l:y=x と放物線 R:y=x2+6 の交点の x 座標は x2+6=x すなわち x2+x6=0 の解である。よって x=3,x=2 である。この区間では放物線が直線の上にあるので,囲まれた面積 TT=32{(x2+6)x}dx=32(x2x+6)dx=[x33x22+6x]32=1256である。

(2)

直線 y=x+t と放物線 R の交点の x 座標は x2+6=x+t すなわち x2+x+(t6)=0 の2解である。相異なる2点で交わるためには判別式が正であればよいから 254t>0 すなわち 0<t<254 である。

この2解の差を d とおくと,2次方程式の解の差より d=254t である。直線 y=x+t 上の2点 C(t),D(t) の実際の距離は,x 座標の差が d で傾きが1だから CD=2d である。同様に,A,Bx 座標の差は 2(3)=5 なので AB=52 である。また,2本の平行線 y=xy=x+t の距離は t2 である。

したがって台形の面積はS(t)=12(AB+CD)t2=12(52+2d)t2=t2(5+d)である。

ここで d=254t より t=25d24 であり,0<t<2540<d<5 に対応する。よって S(t)=25d28(5+d)=(5d)(5+d)28 である。これを d の関数として S=18(5d)(5+d)2 と見ると,dSdd=18{(5+d)2+2(5d)(5+d)}=18(5+d)(53d)である。0<d<5 では 5+d>0 なので,最大となるのは d=53 のときである。このときSmax=18(553)(5+53)2=100027である。

したがって f(t)=S(t)T の最大値は 1000271256=169 である。

別解

解法2(変数tのまま微分)

方針

(1) の面積は交点間隔だけで計算する。(2)では平行な2弦の長さと直線間距離から S(t) を作り、置換をせず t のまま微分する。根号を含む微分なので、停留条件を整理してから両辺の符号を確認して2乗する。

解答

(1)

交点の x 座標は 3,2 である。したがってT=32(x2x+6)dx=1256.(2)

y=x+t と放物線との交点の x 座標差はd=254t,0<t<254である。2本の弦の長さと平行線間距離からS(t)=t2(5+254t)を得る。これを微分するとS(t)=5+254t2t254t.u=254t と略記すれば、S(t)=0u(5+u)=2t=25u22と同値である。整理して3u2+10u25=0となり、u>0 だから u=53 である。S(t) はこの点の前後で正から負へ変わるので最大である。このときSmax=100027であり、maxf(t)=SmaxT=1000276125=169.

総評

難度5、計算量5。放物線と平行線で切り取られる2本の弦を台形の底辺として扱う問題で、目安は18分程度である。(1)は積分範囲と上下関係を正しく押さえれば標準的である。(2)では、弦の実長に 2、2直線間の距離に 12 が出て相殺されるため、x 座標の差だけで整理できる。最大化では t のまま微分してもよいが、d=254t と置くと定義域 0<d<5 と端点除外が明確になる。底辺の長さを x 座標の差のまま面積に使うミスに注意したい。

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出典: 名古屋大学 2005年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。