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名古屋大学 2004年度 前期日程 第2次学力試験 整数・数列理系数学 第4問(b)

選択問題 (b)

正の整数abが互いに素であるとき,
正の整数からなる数列{xn}
x1=x2=1xn+1=axn+bxn1 (n2)で定める.
このときすべての正の整数nに対して
xn+1xnが互いに素であることを示せ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

整数数列論証・証明 数学的帰納法、最大公約数、式変形

方針

隣り合う2項が互いに素であることだけを帰納法で示そうとすると、漸化式の bxn1 の部分を処理するために b との互いに素性も必要になる。そこで、xnxn1 が互いに素であること、さらに xnb が互いに素であることを同時に帰納法で示す。ab が互いに素である条件は、xn+1b の共通約数を調べるところで使う。

解答

次の2つの主張を同時に帰納法で示す。 (A)xn と xn1 は互いに素である, (B)xn と b は互いに素である. x1=x2=1 であるから、n=2 ではどちらも成り立つ。

ある n2 で、xnxn1 が互いに素であり、かつ xnb が互いに素であると仮定する。まず xn+1b が互いに素であることを示す。dxn+1b の公約数とする。漸化式 xn+1=axn+bxn1 より、db を割り、また xn+1 を割るので、daxn である。ところが ab は互いに素であり、xnb も互いに素である。db の約数だから、da とも xn とも互いに素である。よって d=1 である。したがって xn+1b は互いに素である。

次に xn+1xn が互いに素であることを示す。exn+1xn の公約数とする。このとき exn+1axn=bxn1 である。一方、exn であり、仮定より xnxn1 は互いに素であるから、exn1 も互いに素である。したがって eb でなければならない。

しかし、上で示したように xn+1b は互いに素であり、exn+1 も割る。よって e=1 である。したがって xn+1xn は互いに素である。

以上により、帰納法で任意の n1 について xn+1xn は互いに素である。

別解

解法2(合同式と最大公約数の降下)

方針

漸化式を法bで見るとxnbが互いに素であることが一度に分かる。その後、隣接2項の最大公約数を漸化式で1段ずつ前へ戻し、初期値まで降下させる。

解答

漸化式を法bで見るとxn+1axn(modb).x2=1だから、帰納的にxnan2(modb)(n2)である。abは互いに素なのでgcd(xn,b)=1(n2)を得る。

次にn2についてgcd(xn+1,xn)=gcd(axn+bxn1,xn)=gcd(bxn1,xn).gcd(b,xn)=1であるからgcd(bxn1,xn)=gcd(xn1,xn).よって同じ操作を繰り返せばgcd(xn+1,xn)=gcd(xn,xn1)==gcd(x2,x1)=1.したがって、すべての正の整数nについて
xn+1xnは互いに素である。

総評

難度5、計算量4。目安時間は14〜18分。最大公約数と漸化式を組み合わせる標準的な証明問題である。隣り合う項だけの互いに素性を示そうとすると、bxn1b が邪魔になるため、xnb も互いに素であることを同時に示すのが要点である。a,b が互いに素である条件は、xn+1b の公約数が axn を割る場面で使う。証明では、公約数を1つ置き、どの式を割るかを順に書くと論理が崩れにくい。

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出典: 名古屋大学 2004年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。