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名古屋大学 2009年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

行列A=12(0111)に対して、座標空間の点 Pn の座標(an,bn,cn)(n=1,2,3,)(a1,b1,c1)=(1,0,0),(an+1bn+1)=A(anbn),cn+1=cn+anbn(n=1,2,3,)で定める。

(1) A3 を求めよ。

(2)P2,P3,P4 の座標を求めよ。

(3)Pn の座標を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

行列数列 漸化式の変形、帰納的定義の利用、場合分け

方針

まずA2,A3を直接計算し,A3=18Eから(an,bn)が3回ごとに同じ向きで1/8倍されることを読む。P2,P3,P4は漸化式を順に適用して求める。一般項ではn3k+1,3k+2,3k+3に分けて(an,bn)を表す。cnanbnが正になるn=3j+3の後だけ増え,増加量が等比数列になることを使う。

解答

(1) A=12(0111)である。まず(0111)2=(1110)なのでA2=14(1110)である。さらにA3=A2A=18(1110)(0111)=18(1001)である。

(2)

初期値は (a1,b1,c1)=(1,0,0) である。

まず(a2b2)=A(10)=(012)であり,c2=c1+a1b1=0+0=0 である。したがって P2=(0,12,0) である。

次に(a3b3)=A(012)=(1414)であり,c3=c2+a2b2=0 である。よって P3=(14,14,0) である。

さらに(a4b4)=A(1414)=(180)であり,c4=c3+a3b3=0+116=14 である。したがって P4=(18,0,14) である。

(3)

(1) より A3=18E であるから,(an,bn)は3つ進むごとに1/8倍される。k=0,1,2,として,(2)の結果から (a3k+1,b3k+1)=(18k,0), (a3k+2,b3k+2)=(0,128k), (a3k+3,b3k+3)=(148k,148k) である。

次にcnを求める。cn+1=cn+anbnであり,anbnが正になるのは n=3j+3(j=0,1,2,) のときだけである。このときa3j+3b3j+3=11682j=148jである。したがって,3k+1,3k+2,3k+3番目までは,j=0,1,,k1の増加分が加わっており,c3k+1=c3k+2=c3k+3=14(1+18++18k1)=141(1/8)k11/8=27(118k)である。k=0のときは和が空であり,右辺も0になる。

以上より,k=0,1,2,に対してP3k+1=(18k,0,27(118k))P3k+2=(0,128k,27(118k))P3k+3=(148k,148k,27(118k))である。

総評

難度6、計算量5。目安時間は20分程度で,A3=18Eを見つけて周期構造に持ち込めるかが要点である。(an,bn)は3周期で向きが戻り,大きさだけが1/8倍される。cnは毎回増えるわけではなく,(an,bn)がともに負になるn0(mod3)のときだけ増える。典型的な誤りは,anbnを符号つきで扱うこと,またc3k+1,c3k+2,c3k+3が同じ値になる理由を書かずに一般項だけを並べることである。

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出典: 名古屋大学 2009年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。