方針
接点の 座標を とおき,放物線 の接線を作る。点 を通る条件から が得られるので,2つの接点は と分かる。角 は, と の内積と,2次元の面積成分で処理する。最後の全実数 に対する条件では,内積が0以下なら で自動的に満たされるため,内積が正の場合だけ に直して の範囲を決める。
解答
(1)
放物線 上の点を とおく。この点における接線は である。この接線が点 を通るための条件は であり,整理すると すなわち である。 より2つの接点が存在し,その 座標は である。 だから である。
(2)
以後 とおく。(1)より である。したがってであり,である。
内積を計算すると である。ここで だから となる。 のとき,2つのベクトルは垂直であるから,内積が0である。 より であり, を得る。
(3)
2つのベクトルの面積成分を計算する。, より,である。したがって, のとき である。 だから である。なお,分母が負のときは は鈍角であり,この式も として成り立つ。
(4)
すべての実数 に対して となるような を求める。
まず のとき,内積が0以下であるから であり,条件は自動的に満たされる。したがって調べる必要があるのは の場合だけである。この場合は が鋭角であり, は と同値である。
(3) の式を用いると,条件は である。ここでは分母が正なので,両辺に分母を掛けて となる。
左辺は が大きいほど小さくなるので,最も厳しいのは のときである。したがって,すべての実数 について成り立つための必要十分条件は である。 とおくと,これは すなわち である。この2次不等式の正の解は であり,負の解は である。 だから となる。したがって である。
逆に なら,上の議論より内積が正の場合でも が成り立ち,内積が0以下の場合はさらに明らかである。よって求める範囲は である。
総評
難度6,計算量6。想定時間は20分程度。接線の接点を と置き,接線条件から を出せるかが最初の関門である。(4)は内積が0以下なら なので自動的に条件を満たし,内積が正の鋭角の場合だけ を調べる。分母 は で最大だから,必要十分条件は の確認に帰着し, を得る。採点では,十分性だけでなく を用いた必要性も明記したい。接線の方向ベクトルを用いて内積と行列式から角度を出す見方もあるが,符号による鋭角・鈍角の区別は同じく必要である。時間が厳しい場合でも,(1)〜(3)を確実に回収してから(4)へ進むのがよい。