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大阪大学 1982年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

次の問いに答えよ。

(1) k>1 のときxlogx(1+logk)(xk)+klogkx1 に対して成り立つことを示せ。

(2) n を2以上の整数とする。このときan=k=2nklogkとおけば、次の不等式が成り立つことを示せ。an<32n+12xlogxdx<12(n+12)2{log(n+12)12}+1.ただし、対数はすべて自然対数とする。

難易度8/ 10計算量7/ 10目安35

微分積分数列方程式・不等式 接線・法線定積分評価、微積分の対称性

方針

(1) では両辺の差を微分し、x=k で最小値0をとることを示す。(2)ではその不等式を k を中心とする長さ1の区間で積分し、k=2 から n まで加える。

解答

(1)h(x)=xlogx{(1+logk)(xk)+klogk}とおく。このときh(x)=logxk.したがって 1x<k では h(x)<0x>k では h(x)>0 であり、hx=k で最小になる。h(k)=0 だからxlogx(1+logk)(xk)+klogkが成り立つ。

この関係は、曲線 y=xlogxx=k における接線より上にあることを表す。

(2) (1)の不等式を、次の区間について積分する。k12xk+12対称性によりk12k+12(1+logk)(xk)dx=0であり、等号成立は一点だけだからk12k+12xlogxdx>klogk.これを k=2,3,,n について加えるとan<32n+12xlogxdx.次にxlogxdx=x22(logx12)である。N=n+1/2 とおけば32Nxlogxdx=N22(logN12)98(log3212).log(3/2)>0 より98(log3212)<916<1.したがって32n+12xlogxdx<12(n+12)2{log(n+12)12}+1.以上で二つの不等式が示された。

別解

解法2(無次元化と対称化を使う)

方針

(1) では u=x/k として差を k(uloguu+1) にする。(2)では g(k+t)+g(kt) を微分し、中点の値より大きいことを直接示す。

解答

(1) u=x/k>0 とおくと、左辺から右辺を引いた差はk(uloguu+1)である。ϕ(u)=uloguu+1 とおけばϕ(u)=logu.よって ϕu=1 で最小値 0 をとる。したがって差は0以上であり、求める不等式が成り立つ。

(2) g(x)=xlogx とおく。0<t1/2 に対しq(t)=g(k+t)+g(kt)2g(k)とおくとq(t)=g(k+t)g(kt)=logk+tkt>0.しかも q(0)=0 だから q(t)>0 である。したがってk12k+12g(x)dxklogk=012{g(k+t)+g(kt)2g(k)}dt>0.これを k=2,3,,n について加えてan<32n+12xlogxdxを得る。

上側については原始関数G(x)=x22(logx12)を用いる。N=n+1/2 とすれば32Nxlogxdx=G(N)G(32).またG(32)=98(log3212)<916<1.ゆえに32n+12xlogxdx<12(n+12)2{log(n+12)12}+1.

総評

難度8、計算量7、目安35分。接線不等式を、整数を中心とする長さ1の区間で積分する発想が核心である。標準解法は(1)をそのまま積分し、別解は左右対称な点の関数値を組にして平均を評価した。積分区間を連結すると端点が 3/2n+1/2 になること、上端評価の定数が1未満であることまで丁寧に確認した。

冊子PDFで見る阪大の微分の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 1982年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。