方針
行列 は、原点中心の回転と 倍の拡大を同時に表す。 から と を得て、さらに で となる条件から回転の周期がちょうど6になる だけを残す。(2) は6本を原点中心の60度回転で得られる直線群として見て、3組の平行対を除いて交点を数える。
解答
(1)
行列は、原点のまわりに角 だけ回転し、長さを 倍する変換を表す。したがって は、角 の回転と 倍の拡大を表す。 より である。 だから である。また回転角について となる整数 が存在するので である。範囲 より を考えればよい。
さらに で であるためには、回転の周期がちょうど6でなければならない。つまり と が互いに素である必要がある。よって であり、 である。
(2)
(1)より は または の回転である。向きが逆でも得られる6本の直線の集合は同じなので、 ずつ回転する場合で考える。
座標軸を回転して、最初の直線を と書いてよい。ただし は原点を通らないので である。すると6本の直線は、原点からの距離が で、法線方向が ずつ異なる直線である。これは、原点を中心とする正六角形の6辺を含む直線と同じ配置になる。
6本の直線のうち、 だけ向きが違うものは互いに平行である。したがって平行な組は 組ある。また なので、 回転した直線は元の直線と一致せず、平行な別の直線である。
6本から2本を選ぶ組は 組である。このうち3組は平行で交わらない。残りの12組は交わる。正六角形の辺を含む直線の配置では、平行でない2本の交点にさらに別の1本が通ることはないので、これらの交点はすべて別々である。
よって交点の個数は である。
15組から平行な3組を除き、12個の交点が得られる
別解
解法2
方針
平面上の点を複素数 で表し、与えられた一次変換を
と読む。変換の位数が6である条件を
複素数の積で決める。直線群は法線方向が60度ずつ変わる6本として、
平行組と重複しない交点を数える。
解答
(1)
与えられた変換は複素数表示ではである。6回で恒等変換になる条件はよって 、 は の整数倍である。
さらに6未満では1にならないので、 の位数は6である。
からを得る。
(2)
回転方向を逆にしても6本の集合は変わらない。座標を回して最初の
直線を とすれば、各直線の法線方向はである。反対向きの法線をもつ直線同士が平行になるので平行組は3組。
全ての2直線の組は15組だから、交わる組は組である。これらは正六角形の6辺を延長した配置であり、3本が
1点に集まることはない。したがって交点は12個である。
総評
行列を回転として読むことが出発点である。目安時間は15分。(2) は「6本あるからたくさん交わる」と数えるだけでなく、向きが3種類で平行対が3組あること、原点を通らないため向かい合う直線が一致しないことを明記する。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。