方針
加法定理でx,y,zをsintとcostの一次式として表し,costの項が消える組み合わせを作る。xsinβ−ysinαを取るとcostが消え,残りはzsin(β−α)になるので,曲線全体が原点を通る平面上にあることが分かる。(2)ではα=θ,β=2θを代入して平面を2xcosθ−y−z=0に簡単化し,点と平面の距離をu=cosθの関数にして最大化する。平方してから微分するか,平方完成型の不等式でu=1/2を見つける。
解答
(1)
加法定理より x=sin(t+α)=sintcosα+costsinα であり,y=sin(t+β)=sintcosβ+costsinβ である。また z=sint である。ここでxsinβ−ysinαを計算すると,costの項は costsinαsinβ−costsinβsinα となって消える。したがってxsinβ−ysinα=sint(cosαsinβ−cosβsinα)=sintsin(β−α)=zsin(β−α)である。
よって曲線上のすべての点は xsinβ−ysinα−zsin(β−α)=0 を満たす。この式は原点も満たすから,求める平面は xsinβ−ysinα−zsin(β−α)=0 である。
(2) α=θ,β=2θを(1)の平面に代入する。0<θ<π/2よりsinθ>0であり,sin2θ=2sinθcosθ,sin(2θ−θ)=sinθだから,平面の方程式は 2xcosθ−y−z=0 となる。
点(−1,2,0)とこの平面との距離をdとすると d=(2cosθ)2+(−1)2+(−1)2∣2(−1)cosθ−2−0∣ である。したがって d=4cos2θ+22(1+cosθ) となる。 u=cosθ とおくと,0<θ<π/2より0<u<1である。距離の2乗は d2=4u2+24(1+u)2 である。これをf(u)とおく。分母は正なので,微分して f′(u)=(4u2+2)28(1+u)(4u2+2)−4(1+u)2⋅8u である。分子を整理すると 8(1+u){4u2+2−4u(1+u)}=8(1+u)(2−4u) となる。0<u<1では1+u>0だから,f(u)はu=1/2で最大になる。
このとき d2=4(1/2)2+24(1+1/2)2=3 である。よって距離の最大値は 3 である。
別解
解法2
方針
曲線を r(t)=usint+vcost とベクトル表示し、u,v に直交する法線ベクトルを外積に相当する成分計算で求める。後半は距離公式を用い、平方完成型の不等式で最大値と等号条件を同時に確定する。
解答
(1)
位置ベクトルを加法定理でまとめるとr(t)=cosαcosβ1sint+sinαsinβ0costとなる。二つの係数ベクトルの両方に直交するベクトルとしてn=(sinβ,−sinα,−sin(β−α))をとれる。実際、各内積は加法定理により 0 である。よってn⋅r(t)=0であり、曲線は原点を通る平面xsinβ−ysinα−zsin(β−α)=0に含まれる。
(2)
α=θ、β=2θ を代入し、sinθ>0 で割ると平面は2xcosθ−y−z=0.u=cosθ とおけば 0<u<1 であり、点 (−1,2,0) からの距離 d はd2=4u2+24(1+u)2.ここで3(4u2+2)−4(1+u)2=2(2u−1)2≧0だから d2≦3 である。等号は u=1/2、すなわち θ=π/3 で成立する。したがって最大値は3である。
総評
三角関数で表された空間曲線の平面性と距離最大を結ぶ問題。目安は20分。(1) は sint,cost の係数ベクトルを同時に消す法線を作る。(2) は sinθ>0 を確認して簡約し、距離の2乗を評価すると等号条件まで短く示せる。
冊子PDFで見る阪大の三角関数の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 1994年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。