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大阪大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

αβ0<α<β<πを満たす定数とし,tを変数とする。
空間内の曲線(x(t),y(t),z(t))x(t)=sin(t+α),y(t)=sin(t+β),z(t)=sintで定める。ただしt0t<2πの範囲で動くこととする。

(1) この曲線は原点を通る平面に含まれることを示し,
その平面の方程式を求めよ。

(2) α=θβ=2θとおき,
θ0<θ<π2の範囲で動かすとき,
(1)で求めた平面と点(1,2,0)との距離の最大値を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

三角関数ベクトル図形と方程式 座標設定三角比の利用

方針

加法定理でx,y,zsintcostの一次式として表し,costの項が消える組み合わせを作る。xsinβysinαを取るとcostが消え,残りはzsin(βα)になるので,曲線全体が原点を通る平面上にあることが分かる。(2)ではα=θβ=2θを代入して平面を2xcosθyz=0に簡単化し,点と平面の距離をu=cosθの関数にして最大化する。平方してから微分するか,平方完成型の不等式でu=1/2を見つける。

解答

(1)
加法定理より x=sin(t+α)=sintcosα+costsinα であり,y=sin(t+β)=sintcosβ+costsinβ である。また z=sint である。ここでxsinβysinαを計算すると,costの項は costsinαsinβcostsinβsinα となって消える。したがってxsinβysinα=sint(cosαsinβcosβsinα)=sintsin(βα)=zsin(βα)である。

よって曲線上のすべての点は xsinβysinαzsin(βα)=0 を満たす。この式は原点も満たすから,求める平面は xsinβysinαzsin(βα)=0 である。

(2) α=θβ=2θを(1)の平面に代入する。0<θ<π/2よりsinθ>0であり,sin2θ=2sinθcosθ,sin(2θθ)=sinθだから,平面の方程式は 2xcosθyz=0 となる。

(1,2,0)とこの平面との距離をdとすると d=2(1)cosθ20(2cosθ)2+(1)2+(1)2 である。したがって d=2(1+cosθ)4cos2θ+2 となる。 u=cosθ とおくと,0<θ<π/2より0<u<1である。距離の2乗は d2=4(1+u)24u2+2 である。これをf(u)とおく。分母は正なので,微分して f(u)=8(1+u)(4u2+2)4(1+u)28u(4u2+2)2 である。分子を整理すると 8(1+u){4u2+24u(1+u)}=8(1+u)(24u) となる。0<u<1では1+u>0だから,f(u)u=1/2で最大になる。

このとき d2=4(1+1/2)24(1/2)2+2=3 である。よって距離の最大値は 3 である。

別解

解法2

方針

曲線を r(t)=usint+vcost とベクトル表示し、u,v に直交する法線ベクトルを外積に相当する成分計算で求める。後半は距離公式を用い、平方完成型の不等式で最大値と等号条件を同時に確定する。

解答

(1)
位置ベクトルを加法定理でまとめるとr(t)=(cosαcosβ1)sint+(sinαsinβ0)costとなる。二つの係数ベクトルの両方に直交するベクトルとしてn=(sinβ,sinα,sin(βα))をとれる。実際、各内積は加法定理により 0 である。よってnr(t)=0であり、曲線は原点を通る平面xsinβysinαzsin(βα)=0に含まれる。

(2)
α=θβ=2θ を代入し、sinθ>0 で割ると平面は2xcosθyz=0.u=cosθ とおけば 0<u<1 であり、点 (1,2,0) からの距離 dd2=4(1+u)24u2+2.ここで3(4u2+2)4(1+u)2=2(2u1)20だから d23 である。等号は u=1/2、すなわち θ=π/3 で成立する。したがって最大値は3である。

総評

三角関数で表された空間曲線の平面性と距離最大を結ぶ問題。目安は20分。(1) は sint,cost の係数ベクトルを同時に消す法線を作る。(2) は sinθ>0 を確認して簡約し、距離の2乗を評価すると等号条件まで短く示せる。

冊子PDFで見る阪大の三角関数の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 1994年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。