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大阪大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

曲線y=x(xa)(xb)(xc) (0<a<b<c)x軸との交点を左から順にOABCとする.
線分OAABBCとこの曲線によって囲まれる部分をそれぞれSTUとする.
次の問に答えよ.

(1) STの面積が等しくなるための必要十分条件は3b25(a+c)b+10ac=0であることを示せ.

(2) 上の曲線をy軸に関して対称移動し,
次にx軸の正の方向にcだけ平行移動してできる曲線の式を求めよ.

(3) STUの面積がすべて等しいとき,bcaを用いて表せ.

難易度7/ 10計算量8/ 10目安30

積分関数 面積計算文字消去対称性の利用

方針

面積の等式は符号つき積分に直す。S=T0bf(x)dx=0T=U は対称移動を使って同じ形の条件に帰着する。最後は b=uac=va とおき、1<u<v を満たす解だけを残す。

解答

(1) f(x)=x(xa)(xb)(xc) とおく。0<a<b<c であるから、0<x<a では f(x)<0a<x<b では f(x)>0 である。したがって S=0af(x)dx,T=abf(x)dx である。よって S=T0bf(x)dx=0 と同値である。

ここで f(x)=x4(a+b+c)x3+(ab+ac+bc)x2abcx であるから0bf(x)dx=b55(a+b+c)b44+(ab+ac+bc)b33abcb22である。これを整理すると 0bf(x)dx=b360{3b2+5(a+c)b10ac} となる。b>0 なので、S=T3b2+5(a+c)b10ac=0 すなわち 3b25(a+c)b+10ac=0 と同値である。

(2) y=f(x)y 軸に関して対称移動すると y=f(x) である。さらに x 軸の正の方向に c だけ平行移動すると、式は y=f(cx) となる。したがって y=(cx)(cxa)(cxb)(x) である。

(3)
(1) より、S=T の条件は 3b25(a+c)b+10ac=0(1) である。

次に T=U の条件を作る。(2) の移動後の曲線は、x 軸との交点が左から 0,cb,ca,c である。この曲線で左の二つの囲まれた面積が等しいことは、元の曲線で U=T であることに対応する。よって (1) と同じ形の条件を、a,b,c の代わりに cb, ca, c に用いると 3(ca)25{(cb)+c}(ca)+10(cb)c=0 である。整理して 3a25ab+4ac5bc+3c2=0(2) を得る。 b=uac=va とおく。a>0 であり、0<a<b<c より 1<u<v である。(1), (2) を a2 で割ると 3u25(1+v)u+10v=0(3) 35u+4v5uv+3v2=0(4) となる。

(3) から u=2 は解でないことが分かるので、v=u(53u)5(2u) である。これを (4) に代入して分母を払うと (u25)(4u210u+5)=0 を得る。したがってu=5,u=5,u=5+54,u=554が候補である。

このうち 1<u<v を満たすものを調べる。u=5u=(55)/4u>1 を満たさない。また u=(5+5)/4 を上の式に入れると v<0 となり不適である。残る u=5 では v=1+5 となり、確かに 1<u<v を満たす。よって b=5a,c=(1+5)a である。

別解

解法2

方針

三つの面積を符号つき積分で直接つなぐ。
S=T0bf(x)dx=0
T=Uacf(x)dx=0 と表す。
2本の二次式を b/a,c/a で無次元化し、因数分解して順序条件で候補を選ぶ。

解答

f(x)=x(xa)(xb)(xc) とおく。

(1)

f の符号は (0,a) で負、(a,b) で正だからS=T0bf(x)dx=0.展開して積分すると0bf(x)dx=b360{3b2+5(a+c)b10ac}.b>0 だから必要十分条件は3b25(a+c)b+10ac=0.(2)

y 軸対称で xx に替え、その後右へ c 移動するのでy=f(cx)=(cx)(cxa)(cxb)(x).(3)

同様に T=Uacf(x)dx=0と同値である。直接積分して整理すると3a25ab+4ac5bc+3c2=0.u=ba,v=caとおけば 1<u<v であり、2条件は3u25(1+v)u+10v=0,35u+4v5uv+3v2=0.第1式からv=u(53u)5(2u)を得て第2式へ代入すると(u25)(4u210u+5)=0.1<u<v を満たすのはu=5,v=1+5だけである。よってb=5a,c=(1+5)a.

総評

四次曲線の面積を符号つき積分へ変換する計算量のある問題。目安時間は30分。採点上は (1) の必要十分性、(2) の移動後の根の並び、(3) の 1<u<v による候補の除外が重要になる。式変形が長いため、面積を個別に三つ計算するより、等式を積分区間の結合として扱うと整理しやすい。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。

冊子PDFで見る阪大の積分の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 1996年度 前期 文系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。