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大阪大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

nを2以上の自然数とする.次の問いに答えよ.

(1) 不等式nlognn+1<k=1nlogk<(n+1)lognn+1が成り立つことを示せ.

(2) 極限値limn(n!)1nlognを求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

指数・対数積分数列 定積分評価、はさみうち、極限計算

方針

logx が増加関数であることを使い、各区間 [k1,k][k,k+1] の積分で logk を上下からはさむ。得られた評価を nlogn で割り、log(n!) の比の極限を先に求めてから指数の極限へ戻す。

解答

(1) logxx>0 で増加関数である。k=2,3,,n に対して、区間 [k1,k] 上では logxlogk であり、端点以外では厳密に小さい。したがって k1klogxdx<logk である。これを k=2 から n まで足すと、log1=0 より 1nlogxdx<k=1nlogk を得る。左辺は 1nlogxdx=[xlogxx]1n=nlognn+1 であるから nlognn+1<k=1nlogk である。

次に k=1,2,,n1 に対して、区間 [k,k+1] 上では logklogx であり、k=1 の場合も含めて積分すれば logk<kk+1logxdx が成り立つ。ただし k=1 では左辺は 0 であり、右辺は正である。よって k=1n1logk<1nlogxdx である。両辺に logn を加えると k=1nlogk<1nlogxdx+logn となる。したがって k=1nlogk<(n+1)lognn+1 である。以上より nlognn+1<k=1nlogk<(n+1)lognn+1 が示された。

(2) k=1nlogk=log(n!) である。(1) の不等式を、正の量 nlogn で割ると11logn+1nlogn<log(n!)nlogn<1+1n1logn+1nlognである。n のとき両端はともに 1 に近づくので、はさみうちにより limnlog(n!)nlogn=1 である。

求める極限を Ln とおくとlogLn=log((n!)1/(nlogn))=log(n!)nlognである。よって logLn1 であり、したがって limn(n!)1/(nlogn)=e である。

別解

解法2

方針

(1)logx のグラフと単位幅の長方形を比較する。
(2)は別に、任意の 0<ε<1 に対し
n! の末尾 (1ε)n 個を εn で下から抑え、
n!nn と合わせて極限を出す。

解答

(1)

logx は増加関数なのでk1klogxdx<logk(k=2,,n).和を取ると1nlogxdx<k=1nlogk.またlogk<kk+1logxdx(k=1,,n1)を足して最後に logn を加えるとk=1nlogk<1nlogxdx+logn.1nlogxdx=nlognn+1を代入すれば問題の2不等式を得る。

(2)

まず n!nn だからlog(n!)nlogn1.0<ε<1 を固定する。
εn 以上の整数因子は少なくとも
nεn 個あり、それぞれ εn 以上だからn!(εn)nεn.よってlog(n!)nlognnεnn(1+logεlogn).n で右辺の極限は 1ε である。
ε は任意なのでlimnlog(n!)nlogn=1.指数関数の連続性からlimn(n!)1/(nlogn)=e.

総評

階乗を直接扱わず、対数を取って和に直す標準的な極限問題。目安時間は15分。上側評価では k=1n1logk を先に積分で押さえ、最後に logn を足す形にすると不等式の向きを間違えにくい。最後は元の数列ではなく、その対数の極限を求めていることを明示する。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。

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出典: 大阪大学 1996年度 前期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。