方針
三角形 Tk の内部条件を、x の範囲と斜辺の下側という不等式で書く。曲線 y=2⋅10−nx は単調減少し、三角形の斜辺 y=500x−k+1 は各小区間で単調増加するので、曲線がその三角形の内部に入るかどうかは右端で1を下回るかに帰着できる。最初に通過する三角形が T8 である条件は、T7 までは通らず T8 は通る、という2つの不等式に直し、常用対数で n の範囲を求める。
解答
三角形 Tk は、底辺が x 軸上の 500k−1<x<500k にあり、斜辺は Pk−1 と Qk を結ぶ直線である。この斜辺の方程式は y=500x−k+1 である。したがって Tk の内部条件は 500k−1<x<500k,0<y<500x−k+1 である。
曲線上の点は y=2⋅10−nx を満たす。この関数は x が増えると単調に減少し、一方 500x−k+1 は単調に増加する。左端 x=(k−1)/500 では斜辺の高さが0で曲線の高さは正だから、曲線はまだ三角形の内部にない。よって曲線が Tk の内部を通過するための必要十分条件は、右端の直前で斜辺の高さ1を曲線が下回ることである。すなわち 2⋅10−nk/500<1 である。等号の場合は右上の頂点 Qk に達するだけで、内部は通過しないことに注意する。
最初に内部を通過する三角形が T8 であるためには、T7 は通過せず、T8 は通過すればよい。したがって 2⋅10−7n/500≧1,2⋅10−8n/500<1 である。常用対数をとると log102−5007n≧0,log102−5008n<0 となる。したがって n≦7500log102,n>8500log102 である。 log102=0.3010 より 7500log102=7150.5=21.5 であり、8500log102=8150.5=18.8125 である。n は自然数なので n=19,20,21 である。
別解
解法2(高さ1を通る時刻で判定する)
方針
曲線が高さ1になる x 座標を先に求める。各 Tk の斜辺は左端で高さ0、右端で高さ1となるため、単調減少する曲線が初めて入る三角形は、この高さ1の通過位置を初めて右端が越える区間である。端点が内部に含まれないことまで不等号へ反映する。
解答
曲線の高さが1になる位置を ξ とすると2⋅10−nξ=1だからξ=nlog102.Tk の斜辺はy=500x−k+1(500k−1≦x≦500k)である。この区間で曲線は減少し、斜辺は増加する。従って曲線が Tk の内部に入るための必要十分条件は500k>ξである。等号では頂点 Qk を通るだけで、内部は通らない。
最初にこの不等式を満たす k が8である条件は5007≦ξ<5008.ξ=log102/n を代入すると7≦n500log102<8.log102=0.3010 より8150.5<n≦7150.5,すなわち18.8125<n≦21.5.n は自然数だからn=19, 20, 21.
総評
指数関数の単調性と細い三角形の通過判定を組み合わせる問題。難度は標準上位、計算量は中程度で、目安時間は18〜22分。三角形の内部は「右端を含まない」ので、2⋅10−nk/500=1 の等号では内部通過にならない点が重要である。曲線が下がり、斜辺が上がるため、通過判定が右端の不等式だけで済むことを明記すると論証が締まる。最後は T7 までは通らない条件と T8 を通る条件の両方を立て、境界の不等号を逆にしないよう注意したい。
冊子PDFで見る阪大の指数・対数の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 2001年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。