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大阪大学 2003年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

(1) 0<t<1のとき,不等式
logt2<1t1+t
が成り立つことを示せ.

(2) kを正の定数とする.
a>0とし,曲線C:y=ekx上の2点P(a,eka)Q(a,eka)を考える.
このときPにおけるCの接線とQにおけるCの接線の交点のx座標は
常に正であることを示せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

指数・対数微分 不等式評価接線・法線、誘導利用

方針

(1) は示したい不等式を、t=1 で0になる関数の正値性に直して微分で示す。(2) は2本の接線の交点の x 座標を式で求め、A=kat=e2A と置いて (1) の不等式と同じ形を作る。分母が正であることもあわせて確認する。

解答

(1)
示したい不等式は logt<2(1t)1+t と同値である。そこで F(t)=2(1t)1+tlogt とおく。0<t<1 においてF(t)=4(1+t)21t=4t(1+t)2t(1+t)2=(t1)2t(1+t)2<0である。また F(1)=0 である。F は増加する t に対して減少するので、0<t<1 では F(t)>F(1)=0 となる。よって logt<2(1t)1+t であり、両辺を2で割って logt2<1t1+t が成り立つ。

(2)
曲線 y=ekx の導関数は y=kekx である。したがって、点 P(a,eka) における接線は y=eka+keka(xa) であり、点 Q(a,eka) における接線は y=eka+keka(x+a) である。

この2直線の交点の x 座標を X とする。2つの接線の y 座標を等しくすると eka{1+k(Xa)}=eka{1+k(X+a)} である。ここで A=ka>0 とおくと eA(1A+kX)=eA(1+A+kX) である。整理して kX(eAeA)=eA(1+A)eA(1A) を得る。両辺を eA で割ると kX(1e2A)=A1+(1+A)e2A である。

ここで t=e2A とおくと、A>0 より 0<t<1 であり、A=12logt である。(1) より logt2<1t1+t だから A>1t1+t である。よって A(1+t)>(1t) であり、これは A1+(1+A)t>0 を意味する。すなわち A1+(1+A)e2A>0 である。

一方、k>0 かつ 1e2A>0 である。したがって X>0 であり、接線の交点の x 座標は常に正である。

別解

解法2(対称な積分評価を使う)

方針

(1)logt1x の積分とみなし、区間内の対称な2点で逆数を組にして相加相乗平均を使う。(2) は接線の交点を求め、得られた分子を (1) と同じ不等式へ変形する。

解答

(1) logt=t1dxx.x1+tx はともに正で、和は 1+t である。相加相乗平均から1x+11+tx41+t,等号は x=1+t2 の1点でしか起こらない。区間を対称な2点ずつ組にして積分するとlogt=12t1(1x+11+tx)dx>12t141+tdx=2(1t)1+t.よってlogt2<1t1+t.(2)
A=ka>0 とする。2本の接線を連立し、その交点の x 座標を X とするとkX=A1+(1+A)e2A1e2A.分母は正である。t=e2A とおけばA=logt2>1t1+tだからA(1+t)(1t)>0.左辺はA1+(1+A)e2Aに等しい。したがって kX>0 であり、k>0 よりX>0である。

総評

難度6、計算量5。目安時間は14〜18分。採点ポイントは、(1) の不等式を関数 F(t) の符号に変えること、(2) で接線の交点の x 座標を正確に式にすること、t=e2ka によって誘導の不等式を使う形へ持ち込むことです。

誤りやすいのは、(1) の微分の符号と区間 0<t<1 での大小関係を逆にすることです。また (2) では分子だけでなく、k(1e2ka) が正であることも確認しなければ X>0 とは結論できません。誘導問題なので、(1) の形に合わせる置換を見つけることが最も重要です。

第1解法は標準的な答案構成を詳しく示し、第2解法は異なる着眼または計算経路で同じ結論を独立に確認する。図は条件の役割と解法の流れを可視化した。積分・極限・総和は独立行に置き、分数は表示サイズで組版した。

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出典: 大阪大学 2003年度 前期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。