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大阪大学 2004年度 後期日程 第2次学力試験(数学理系)理系(後期)数学 第1問

次の文章を読み,後の問いに答えよ.

恒等式(x+1)2x2=2x+1においてx=1とおくと2212=2×1+1,x=2とおくと3222=2×2+1,x=3とおくと4232=2×3+1,x=nとおくと(n+1)2n2=2×n+1となる.これらの式を加えると(n+1)212=2×(1+2+3++n)+n×1が得られる.よって1+2+3++n=12{(n+1)212n×1}=12(n2+n)が得られる.このようにして和k=1nkを求めることができる.

(1) 上と同様の方法により,恒等式(x+1)4x4=4x3+6x2+4x+1を用いて和k=1nk3を求めよ.

(2)k=1nk5n について6次式で表されることを示し,6次の項の係数と5次の項の係数を求めよ.

難易度4/ 10計算量5/ 10目安18

数列数と式 和の計算、二項定理、数学的帰納法恒等式比較

方針

(1) は与えられた恒等式を加えて左辺を望遠和にし、既知の1乗和・2乗和を代入する。(2)は同じ差分恒等式からべき和が1次高い多項式になることを示し、6次式の上位2係数を隣り合う値の差で比較する。

解答

(1) 与式を x=1,2,,n について加えると(n+1)41=4k=1nk3+6k=1nk2+4k=1nk+n.k=1nk=n(n+1)2,k=1nk2=n(n+1)(2n+1)6を代入して整理するとk=1nk3=n2(n+1)24={n(n+1)2}2.(2) 一般に(x+1)m+1xm+1=(m+1)xm+それより低い次数の項x=1,,n について加え、低いべきの和から順に帰納すれば、k=1nkmnm+1 次多項式になる。よってT(n)=k=1nk5=An6+Bn5+4次以下の項と書ける。

T(n)T(n1)=n5 である。一方n6(n1)6=6n515n4+3次以下の項,n5(n1)5=5n4+3次以下の項.係数比較から6A=1,15A+5B=0.したがってA=16,B=12.よって6次の項の係数は 1/6、5次の項の係数は 1/2 である。

差分を加えると中間項が消える

別解

解法2

方針

べき和 T(n) を未知係数をもつ多項式と仮定し,差分 T(n)T(n1)=n5 の上位項だけを比較する。次数が6であることは,二項展開の差を低次数のべき和へ順次帰着して示す。

解答

(1)
恒等式を x=1,,n で加えると(n+1)41=4k=1nk3+6k=1nk2+4k=1nk+n.既知の公式を代入して整理すればk=1nk3=n2(n+1)24.(2)
一般に二項展開から(x+1)m+1xm+1=(m+1)xm+j=0m1cjxj.これを加えると,m 乗和は左辺の nm+1 次式と,帰納的に既知である低いべき和の多項式で表される。よって5乗和は6次式である。T(n)=An6+Bn5+O(n4)と書く。差分を取ればT(n)T(n1)=A(6n515n4+O(n3))+B(5n4+O(n3)).これが n5 に等しいので6A=1,15A+5B=0.したがってA=16,B=12.

総評

難度4、計算量5。想定時間は18分程度で、完答目標の問題である。差を加えると中間項が消える望遠和が全体の構造である。(2)は和の公式を全て求めず、上位2項だけを差の係数比較で決めると短い。

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出典: 大阪大学 2004年度 後期 理系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。