Evolton

大阪大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

半径3の球T1と半径1の球T2が,内接した状態で空間に固定されている.
半径1の球Sが次の条件(A),(B)を同時に満たしながら動く.

(A) ST1の内部にあるかT1に内接している.

(B) ST2の外部にあるかT2に外接している.

Sの中心が存在しうる範囲をDとするとき,立体Dの体積を求めよ.

難易度5/ 10計算量3/ 10目安20

図形と方程式積分 図形的解釈体積計算、計算整理

方針

動く球 S の中心 X が満たす条件に置き換える。S が半径3の球 T1 の内部にある条件は中心間距離 2,半径1の球 T2 の外部にある条件は中心間距離 2 である。したがって,求める立体は半径2の球から,中心距離2の同じ半径2の球との共通部分を除いたものになる。主解では球冠の体積で重なりを引き,別解では軸方向の断面積を積分する。

解答

半径3の球 T1 の中心を O1,半径1の球 T2 の中心を O2 とする。T1T2 は内接しているので O1O2=31=2 である。

半径1の球 S の中心を X とする。条件(A)より,ST1 の内部にあるか内接するためには O1X31=2 であることが必要十分である。

また条件(B)より,ST2 の外部にあるか外接するためには O2X1+1=2 であることが必要十分である。

したがって D は,中心 O1,半径2の球のうち,中心 O2,半径2の球の内部を除いた部分である。ただし境界は体積に影響しない。

半径2の2つの球の中心間距離は2である。共通部分は,2つの合同な球冠からなる。2つの中心のちょうど中間の平面が共通部分を二等分し,各球における球冠の高さは 222=1 である。

半径 R,高さ h の球冠の体積は πh2(3Rh)3 である。ここでは R=2h=1 だから,1つの球冠の体積は π12(321)3=5π3 である。よって2球の共通部分の体積は 25π3=10π3 である。

中心 O1,半径2の球の体積は 43π23=32π3 だから,求める体積は 32π310π3=22π3 である。

中心が動ける領域の断面

半径2の青い球から、中心距離2の橙の球との共通部分を除く。

別解

方針

2球の中心を x 軸上に置き、各 x における断面を円板または円環として表す。断面の形が変わる x=0,1 で積分区間を分ける。

解答

O1 を原点,O2x 軸上の点 (2,0,0) に置く。X=(x,y,z) とし,r2=y2+z2 とおくと,条件は x2+r24,(x2)2+r24 である。 2x0 では第2条件は自動的に満たされるので,断面積は π(4x2) である。0x1 では外側の円板から内側の円板を除くので,断面積は π{(4x2)[4(x2)2]}=4π(1x) である。1<x2 では第2条件を満たす点はない。

したがって体積は20π(4x2)dx+014π(1x)dxであり,π[4xx33]20+4π[xx22]01=16π3+2π=22π3となる。

総評

目安時間は20分前後。動く球の中心範囲へ変換すると,半径2の球から同じ半径2の球との重なりを除く問題になる。採点上は,条件(A)で O1X2,条件(B)で O2X2 になる理由と,2球の中心間距離が2であることを明確にするのが重要である。球冠公式を使う場合は高さが1であること,積分で解く場合は x=0,1 で断面の形が変わることに注意したい。

冊子PDFで見る阪大の図形と方程式の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2010年度 前期 数学(理系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。